釧路市でのインターンシップってどんな感じ?土木・建築業界に新たな風を吹き込む若者を歓迎する、山下コンサルタント株式会社の事例

「地方で働くのもアリかも!」
「知らない業界の現場も実際に見てみたい!」
そう思っても、地域に根差した企業がどんな事業を展開しているのかを知るチャンスがないもの。
そこで地方就職に関心がある学生の方におすすめしたいのが、釧路市とドット道東で開催するインターンシッププログラム「#道東天職活動」。
2024年度の受け入れ企業の一つである山下コンサルタント株式会社は、2025年度もインターンシップを実施することになりました。2024年度を経てさらにパワーアップし、インターンシップの期間や内容が完全オーダーメイドに。学生さん一人ひとりと相談して決めていきます。
また、仕事をより深く知ってもらうため、実際に現場で働ける有給インターンシップのチャンスも!?
測量という仕事、土木業界に関心がある方はもちろん、インターンへの参加を検討中の方は、ぜひこの記事を読んでイメージを掴んでみてください。
山下コンサルタント株式会社とは?
今回ご紹介する山下コンサルタント株式会社(以下、山下コンサルタント)は、1961年に釧路で「山下測量設計事務所」として創業した会社。
土地の形状や面積、高低差、境界などを正確に把握するための「測量調査」や道路や橋、トンネル、ダムなどの社会インフラを設計する「土木設計」を中心に実績を重ねてきました。
測量調査と土木設計とはどんなときに行うのか、イメージが湧かない人もいるかもしれません。
たとえば、道路にどういうカーブや勾配の道を作るかといったことはもちろん、工事車両を停める駐車スペースや施工会社のヤードをどこにつくればいいのかを考えるときにも測量と設計が必要です。その後、作成した設計をもとに、実際の工事が行われます。
「土木工事」と聞くと、“昔ながらの肉体労働”のイメージが強いかもしれませんが、最近では測量の現場にもレーザーやUAV(ドローンなどの無人航空機)といった最新機器や最新技術が登場しており、社員の方々も新しい技術をどんどん取り入れていきたいと考えているよう。
このほか、公共事業などで土地や建物の取得、移転が必要となる際に、その土地や建物の所有者や権利者に対して、正当な補償を行う「補償調査」や、橋や路面などを点検する「維持管理」、ITシステムの設計、開発、運用、保守を行う「情報処理業務」など、土地や建造物、土木工事などに関係する業務を幅広く請け負っています。
土木・建築業界では珍しく週休二日制で、ゴールデンウィークなどの長期休暇も取りやすい環境にあるなど、社員の働きやすさを考えた会社でもあるのです。
過去のインターンシップの内容
そんな山下コンサルタントでは、2024年8月にインターンシップを実施しました。
これは2024年8月28〜30日にかけて、釧路市とドット道東で開催したインターンシッププログラム「#道東天職活動」の一環で、学生が釧路や地方で働くイメージを掴んだり、学生が業界の選択肢を広げたりするほか、 企業が学生の発想から刺激を得ることを目的として開催されたもの。
山下コンサルタントには「ドローン飛ばしたい人や新しい技術に好奇心が強い人など、若い人の斬新な意見が欲しい」という想いがあり、今回のインターン生受け入れにつながりました。
3日間にわたって行われたインターンシップの内容はこちら。
テーマは「測量と山下コンサルタントの魅力や面白さをPRする方法を考えよう!」です。
DAY1:会社を知る
・社長と営業部営業課長との自己紹介タイム
・「建設コンサルタント・測量調査に持っている印象」のブレスト
・「角度」と「距離」を同時に測定することができるトータルステーションを使った測量体験
・地上レーザーを使った3次元点群作成業務の見学
・土木設計を長年担っている工藤統さんから業務内容についてヒアリング
・入社5年目社員へのインタビュー
DAY2:PR施策を考える
DAY3:発表する(合同報告会)
山下コンサルタントの魅力をPRすることをゴールに据え、社員インタビューや現場見学を通じて測量をはじめとする業務の面白さを学びました。
なお、参加してくれたのはこちらのお2人です。
北見工業大学4年生 岡田泰知さん
大学の講義で測量を学んだ経験から、実際の現場での仕事に興味津々。
大学院への進学が決まっていますが、企業PRへの興味や将来の選択肢を増やしたいという思いから参加。
釧路公立大学4年 浅田涼葉さん
地域の活性化とそれに伴う地域の企業の関わりについて卒業論文を書いている。就職活動は終わっているものの、将来的に地方に戻る選択肢も考慮し、地方の企業がどのような取り組みをしているのかや特色があるのか、実際の現場を見てみたいとの思いから参加。
測量を学んだことのある岡田さん、文系のため測量や土木とはこれまで縁がなかった浅田さん。実際のインターンの雰囲気はどんなものだったのでしょうか。
それではインターンシップ3日間をレポートします!
インターンシップ3日間レポート
1日目「会社を知る」編
朝9時、社屋についた二人は「3日間楽しみです!」と気合十分。
インターンシップは山下吉己社長も交えての自己紹介からスタートし、社長からは「測量という馴染みのない仕事だけど、少しでも興味を持って楽しく過ごしてください」と激励のお言葉が。
採用を担当している営業部営業課長の佐藤純さんは「こういったテーマでインターンシップを実施するのは初めてなのでどんな成果物が出るのか楽しみです。緊張せずに3日間楽しんで!」とユーモア混じりのエールを送っていただきました。
緊張が和らいできたところで、最初のワークに取り掛かることに。まだ何もインプットのない状態で「建設コンサルタント・測量調査に持っている印象」をポストイットに書いていきます。
・必要な資格が多そう
・未経験者のハードルが高そう
・残業が多い
・3K(きつい・汚い・危険)
・コンサルって何をコンサルするの?
・コンサルタントだから文系より?文理融合なのかも!?
など、さまざまな意見が出てきましたが、実態はどうなんでしょうか。業務体験や社員さんへのヒアリングを通じて、この印象が本当なのか否かに迫っていきます。
最初の業務体験は「角度」と「距離」を同時に測定することができるトータルステーションという機器を使った測量体験です。
講義で測量を学んだ経験がある岡田さんも、機器を使うのは初めてとのこと。一方、測量初体験の浅田さんは、設置の仕方から丁寧に教えてもらいます。
ベテランの社員さんがササっと数分で設置してくれましたが、斜めの斜面にこのトータルステーションを水平に設置するのは至難の業なのだとか。
いざ自分たちで設置しようとすると、「三脚の足の長さを調節して……あれ?ずれた?じゃあこっちを伸ばして……あれ?またずれた?」と終わりが見えないほど。学生たちはベテランの技に改めて驚きます。
測量を体験したあとは、質問タイム。
どんな現場で何を測量することが多いのか、技術を習得するまでどのくらい時間がかかるのか、専門知識はどうやったら身につくのかなど、積極的な質問が飛び交います。
お昼は「釧之助」でランチ。学生の二人は海鮮丼をいただくことに。
リフレッシュしたところで会社に戻り、午後の部スタートです。
入社5年目の坂下未里さんから、地上レーザーを使った3次元点群作成の実際の画面を見せてもらいました。地上レーザー計測は、対象物にレーザーを照射して距離を測り、精密な3Dデータ(点群)を作成する技術。この点群データを使うと、建物や地形の詳細な3Dモデルを作り、設計や保守、災害復旧に役立てることができるそう。
まるで現場そのものを再現したかのような精巧さに「え、すごい……!」驚く二人。実際にこうした技術が発達したことで、作業効率が格段に上がったのだといいます。
続いて、土木設計を長年担っている工藤統さんに業務内容について詳しく伺います。ちなみに工藤さんは先代社長の娘さんと同期で、大学生の夏休みの時に毎年ここでバイトしていたことがきっかけで、卒業後にそのまま入社することになったのだとか。
これにはインターン生のお二人からも驚きの声が。学生時代のバイト経験が就職に直結するなんて、PRのアイデアにつながりそうな予感です。
土木設計の話は、実際に施工した現場の写真を見ながら進みます。
土木工事がどのように進められるのか、実際の現場でどんな準備や調整が必要かなどをわかりやすく説明していただきました。特に、地域の人々や環境に配慮しながら工事を進めることが大切なのだとか。大学での学びと直結することの多かった岡田さんからは、たくさんの質問が飛び出します。
続いては、3次元点群を見せてくれた入社5年目の坂下未里さんへのインタビューです。
・なぜ今の仕事に就いたのか
・仕事のやりがいや苦労
・坂下さんの働き方
などを伺いました。
その中で、女性の技術職はかなり少ないこと、だからといって女性だから難しい仕事ではないことを話してくれました。また、坂下さんは商業高校出身、つまり文系。そのため、会社に入って一から知識を身に着けたそうですが、資格取得を会社がサポートしてくれる体制が整っていることも教えてくれました。
気になる「3K」についても聞いてみると、「測量機械の進歩やDX化が進んだこともあって、社員のほとんどが定時で帰社しているので残業はほぼないです!プライベートの時間も十分にとれますよ!」とのこと。
ここで1日目が終了!
朝からたくさんのインプットで少しお疲れ気味のお二人に1日目の感想を聞いたところ、岡田さんは「建設コンサルタントの仕事のイメージがついた」と話してくれました。一方、浅田さんは「専門知識がないと働けないと思っていたイメージが変わった」のだそう。「文系の自分でも測量や土木工事の仕事に携わることができそうだ」と前向きな気持ちになったようです。
2日目「PR施策を考える」編
2日目は1日目のインプットをもとに、「就職先の選択肢として山下コンサルタントが選ばれるには?」をテーマにPR施策を考えていきます。1日目に実際に聞いたことや体験したことを思い出しながら、当初抱いていた業界に対するイメージとのギャップを書いていきます。
二人が主に注目したのは下記のポイント。
・女性も働きやすい
・専門知識がなくても働ける
・肉体労働ではなく頭脳労働
・過去の悪いイメージの払拭が必要
“何”を伝えるべきかは見えてきましたが、“誰に”“どう”伝えるかを考えるのもPR戦略を考える上では大事なこと。悩みながらも大学生に興味を持ってもらうアイデアを考えていきます。
夕方、アイデアがまとまったところで採用を担当している佐藤さんへプレゼンをします。
いただいたコメントを参考に、今度は資料作成の作業へ。
この日は19時まで発表準備をして終了!
山下社長や佐藤さんから「遅くまで頑張ってくれてありがとう!明日楽しみにしてるよ!」と激励の言葉をいただきました。
3日目「発表する」合同報告会編
いよいよ最終日、インターンシッププログラム「#道東天職活動」を実施した他の会社との合同報告会に参加。
普段は心拍数54の岡田さんですが、「今は150以上あります!」と明らかに緊張した様子でスタート。一方で浅田さんは落ち着いているよう、に見えましたが、実は緊張していたのだそうです。
まずは1日目の現場見学やヒアリングの内容を発表。機械化やDX化により業務の効率化が進んだり、肉体労働が減り、働きやすい環境になったことを伝えます。
一方で、最新技術を取り入れた働きやすい環境が実現できているにもかかわらず、30代以下の若手や女性の割合が少ないことを課題として抽出しました。
最後に、具体的なアイデアの発表です。大学生との新たな接点づくりとして「アルバイト募集」や「社会貢献活動」を行うほか、若い人に刺さるためのキャッチフレーズの考案を提案。
これをHPや広告として使い、測量や設計が“地域をデザインする”という若者が関心を持ちやすい文脈につながっていることをアピールしようというアイデアです。
発表の最後に参加した二名からインターンシップの感想がありました。
浅田さん
「測量の仕事も知らなかったのですが、機械を触らせてもらったり3D点群を経験したり、人間が担うのは頭脳労働なのだと知りました。男性中心の業界というイメージがありましたが、女性でも働きやすいのだなと感じました。卒業論文でも今回インターンで得た経験を書ければと思います」
岡田さん
「大学で測量やCAD等の知識があったので飛び込みやすかったのですが、業界を知らない浅田さんと一緒に取り組むことで新たな視点や学びがあり、刺激のある3日間でした。父が建設業界で大変そうな姿を見ていたので、当初は建設業界に対してネガティブなイメージがありましたが、時代も変わり労働環境も良くなって女性も働きやすくなっていることを知りました。他の大学と関わる機会がこれまでなかったので、浅田さんはじめ他のインターン生との交流もできて学びの多いインターンとなりました」
山下コンサルタントの皆さんからは以下のようなコメントが。
・年齢層が高く若手の求人をしても採用に結びつかない課題があった。その解決につながるアイデアを出してもらったのが嬉しい
・文系・理系それぞれの長所が2日間よく出ていた。熱心に質問してくれて、その結果立派なプレゼンになって驚いている
・実際に色々体験したりヒアリング元にしたプレゼンをしてもらうのは貴重な経験だった
・これからもこういう機会を増やして、地元企業として学生が戻ってこれる場所にしていきたい
山下コンサルタントの皆さんにとっても刺激の多い3日間となったようです。
インターンシップに取り組んだ学生が参加企業に就職するだけではなく、新たな選択肢を見つけるきっかけや釧路市とつながる入り口になるようにと実施した今回のインターンシップ。
新たな自分を発見したり、自分のことを深く知ることができたり、目標が見つかったり。
インターンシップを通して選択肢を増やすことができるように、これからも学生と企業をつなぐきっかけをつくっていきたいと思います。
山下コンサルタント株式会社でのインターンシップ 概要・スケジュール
開催日時:2025年8月20日〜10月のうち、2日以上3日以内
※実施については、できるだけ参加者の希望に沿ってスケジュールを設定いたします。ご相談ください
実施場所:山下コンサルタント株式会社
北海道釧路市宮本2-4-21
※そのほか、担当している作業場所での活動もあります。その際には送迎をいたします
締切:8月20日からの開催については8月8日まで。それ以降はお問い合わせください。
応募先:eigyou★y-consul.co.jp 担当者 佐藤(★→@マークに変えてお送りください)
応募時の記入内容:お名前、所属先(大学名)、希望参加期間、参加理由(400字程度で)
備考:釧路市外からの参加者については、交通費(飛行機は除く)の実費を当社で負担いたします。宿泊費については、弊社が指定する場所に宿泊する場合に限り補助いたします。詳しくはお問い合わせください。
インターンシップに関するお問い合わせ先:eigyou★y-consul.co.jp 担当者 佐藤(★→@マークに変えてお送りください)
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