オホーツクエリア
接客 ディレクター

【前編】商店街に新陳代謝を作り出す。網走市地域おこし協力隊を募集します(網走市・株式会社まちなか網走)

ただいま募集期間外

こんにちは。オホーツクの美幌町で農業とライターをしている吉田拓実です。

僕自身も、2019年に東京から道東の美幌町に移住して、道東ではたらきはじめた1人です。
今年、5度目の春を迎えました。

当時を思い起こすと、「知らない町でやっていけるのかな」とよぎる不安を、振り切るようにして東京から飛び出してこられたのは、新しい事に挑戦して、自分が新しい何者かになれるというワクワク感があったからだと思います。

道東にあったのは、豊かな自然と、温かい人々、そして、山積する地域課題。
これまで培ってきた経験を活かし、地域の未来を創る。
あなたを待っている仕事が道東にはあります。

今回の募集も、地域の課題解決に関わる仕事。網走市が舞台です。

網走市では地域おこし協力隊を募集しています。

現在、網走中央商店街は空洞化に課題を抱えています。2017年にまちづくり会社「株式会社まちなか網走」が立ち上がり、ゲストハウスやコワーキングスペースの運営などをしながら、商店街の活性化に奮闘しています。

今回は、地域おこし協力隊として、株式会社まちなか網走に出向し、一緒に地域の未来づくりに挑戦する仲間を募集します。

株式会社まちなか網走 社長 田中雄一さんと、前回の#道東ではたらく を読んで網走市地域おこし協力隊に申し込んだ浦雅人さんに取り組みの内容や思いについてお話を聞きました。

<こんな人におすすめ>
・地域活性化に関わる仕事をしてみたい人
・将来的に自分のお店を持ちたい人
・ゲストハウスやコワーキングスペースの運営に興味がある人
・イベントなど企画の立ち上げに興味がある人
・人と関わることが苦手ではない人

<募集概要>
・採用元:網走市
・募集職種:地域おこし協力隊
・雇用形態:網走市の会計年度任用職員として任用
・給与:月給16万4100円~20万4200円
・待遇・福利厚生:社会保険完備(健康保険、雇用保険、労災保険)、年金(厚生年金)
・仕事内容:コワーキングスペース・ゲストハウスの運営
・勤務地:北海道網走市(コワーキングスペース「ナシタ」)
・勤務時間:8:45~17:30(休憩時間 1時間00分)
・休日休暇: 週休2日制、有給休暇10〜12日、年末年始休暇
・応募資格:要普通免許
詳細の募集要項と応募については、以下の募集ページをご覧ください。
https://www.machi-cen.com/%E7%B6%B2%E8%B5%B0%E5%B8%82

観光地網走の空洞化する商店街

「網走」という名前を皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

北海道の右上の端っこの町。その名からイメージするのは、
「網走監獄」、「流氷」、「寒そうな海」、「グレーな空」
なんだか物騒で、寒そうな町の姿かもしれません。

網走駅の表札が縦なのは、刑期が終わった受刑者が横道に反れないように、なんだとか。

でも、実際住んでみるとその印象は大きく変わります。

実は網走を含むオホーツク地方は北海道有数の農業地帯。夏は緑に溢れ、収穫の秋は豊かな実りが大地を埋め尽くします。

流氷がもたらす豊富な栄養分で美味しさを増すオホーツク海の幸。鮭、蟹、ホッケにホタテ。
北海道と聞いて想像する海の幸のほとんどはオホーツク海の恵みです。

モヨロ人や北方系アイヌ民族をはじめとする独自のオホーツク文化が栄え、町の礎を築いてきました。

モヨロ貝塚、オホーツク海にそそぐ網走川の河口に位置する遺跡。

他にも、町に隣接する天都山には、観光農園や、スキー場、大型のキャンプ施設や子ども向け遊具が設置された道立オホーツク公園と、家族や友人たちと楽しめる施設がたくさんあります。

網走市は道東を代表する観光地の一つ。新型コロナ感染症流行前の2017年には道内外から年間約160万人の観光客が訪れています。

そんな、網走の駅から徒歩15分ほどの位置に網走中央商店街「apt.4」(アプトフォー)はあります。

郊外への大型商業施設の出店や、新型コロナウイルス感染症の流行により、かつてのにぎわいは失われ、道行く人の姿は減り、シャッターを下ろす店が増えてきました。

『商店街、さみしくなったね』と言われるのが悲しくて。だから株式会社まちなか網走を立ち上げました。ミッションはまちなかの活性化とにぎわい作りです」

そう語るのは、株式会社まちなか網走 社長 田中さん。網走中央商店街の中にあるフジヤ書店の4代目。書店の仕事をしながらまちづくり会社の代表として、商店街に新たな風を吹き込むさまざまな取り組みを牽引しています。

まちなか網走への思いを語る田中さん

まちなかに新たな人の流れをつくりだす

今回募集する地域おこし協力隊は、株式会社まちなか網走へ出向し、田中さんらと仕事をします。
そこで、まずは、メインとなるゲストハウスとコワーキングスペースの取り組みについて聞いてみましょう。

2017年に田中さんと2人の協力者でスタートしたまちなか網走は、最初の仕事として商店街の中にゲストハウスを作りました。「商店街に泊まれる場所をつくることで、観光客の皆さんにまちなかを拠点にして網走をもっと楽しんでもらえるんじゃないかなと思ったんです」と田中さん。

こうした思いから2020年12月にゲストハウスがスタートしました。その名も「網走まちなかゲストハウスWATARA(ワタラ)」。ワタラの名前は網走のシンボルでもある帽子岩(かつて「カムイ・ワタラ」(アイヌ語で神の岩)と呼ばれていた)から取ったそうです。

(ゲストハウス立ち上げの話は、前回の地域おこし協力隊募集記事をご覧ください!)

WATARAがスタートしたのは、おりしも新型コロナウイルスのパンデミックの真っ只中。

周囲からは「こんな時期に始めて大丈夫?」と心配する声があがり、田中さん自身も「難しいかもしれない」と思うこともありましたが、地元の人に町の中で飲んだ後に使ってもらったりしながら、少しずつ利用者を増やしていきました。

次第に部屋がお客さんで埋まってくるようになってきました。商店街の中にあるので、飲食店が近いことが評判で、コロナが厳しい時も長期のお客様に支えてもらうことができました。おかげさまで昨年度はゲストハウスの営業日数の上限である180日全てが埋まったんです」

まちなか網走の最初の挑戦として始まったゲストハウスWATARAは軌道に乗り始めました。地元の人たち向けだった商店街に泊まれる場所ができたことで、スーツケースを引く外国の方の姿など、これまではあまり見られなかった人の姿が増えてきたそうです。

商店街に生まれた網走スタイルのコワーキングスペース

新たな人の流れは、商店街の中に新たな需要も生みました。

「ゲストハウスに泊まってくれた人たちのなかに、リモートワークをしている人や観光情報を調べたいという人もいたんです。だから次のステップとしてコワーキングスペースを始めることにしました」

まちづくり会社ならではのスピード感を生かし、田中さんたちは内閣府のデジタル田園都市国家構想の予算を申請。商店街の空き店舗を活用したコワーキングスペースを2022年の10月にオープンしました。こうして生まれたのが網走まちなかコワーキングnascita(ナシタ)です。

商店街の空き店舗を利用して作られた網走まちなかコワーキングnascita

「ナシタ」は北海道の方言で「どうしたの?」という意味です。商店街を歩くと網走の人たちが「ナシタ?」と手を差し伸べてくれることをイメージし、「市民と来訪者の新たな関係性が生まれる場所にしたい」との想いから、ネーミングされました。
※アルファベットでの表記「nascita」は、イタリア語で「誕生」という意味の単語です。

nascitaにはWi-Fi、電源、ミーティングスペースといったコワーキングスペースの基本の設備がそろっています。

「nascitaはコワーキングスペースだけど、交流や会話がある場所にしたいと考えています。だから、この施設には人が常駐する。網走の地元の人にも使ってほしいと思っているから、『仕事をしなくてもいいからコーヒーを飲みに来て!』と伝えているんですよ。交流があるといいじゃない、にぎやかになるしね。これが網走スタイルのコワーキングスペースだと思っています」。

「バーカウンター」があるのは、交流の場としてのこだわりポイントです。

商店街の中にコワーキングスペースを作ってみると、実際にワーケーションで網走に来た人が訪れるようになりました。
中には1週間バイクで旅をしながら仕事をしている人もいたとか。

「これからは、この場所のイベント活用にも力を入れていきたいと思っています。これまでにもコンサートとか古着市とかをやったんですが、古着市は吉祥寺のドラセナというお店が来てくれて、普段は商店街にあまり来ない東京農業大学の学生の姿でにぎわいました」

商店街の中にnascitaができたことで、新しい人の流れが生まれています。

nascitaで開かれた古着市。いつもと違う客層のお客さんが集まっています

まちなかの新陳代謝を活性化する

まちなか網走の次の挑戦は、まちなかの新陳代謝の活性化です。

「いろいろやってはいるけど、相変わらず商店街や小売業はなかなか厳しい。後継者不足で店を閉めるっていう人も結構出てきています。だから、自然に減っていくのはある意味仕方ないのかなと思っているんですよね。だけど新陳代謝を起こしたい。どこかが閉店したら、その空き店舗を使って新しい人が挑戦していくような形を作りたいんです」。

田中さんは、nascitaを会場にしたチャレンジショップ(本格的な開業の前に一定期間試験的な開業ができる施設)や、まちなか網走でのインキュベーション事業(起業や事業創出のサポート)などに挑戦をしていく必要があると考えています。

nascitaをチャレンジショップとして利用する試みは、すでに試験的な開始が始まっており、週末にカレー屋さんを開いた方もいるそうです。

 nascitaは商店街の一角にあるため、町の雰囲気や反響を知ることができるのはもちろん、地元の人が「ナシタ?」と手を差し伸べてくれる場所になることでしょう。

「nascitaのチャレンジショップで経験を積んで、商店街の空き店舗を使って開業してくれる方が出てきてくれることを願っています。また、今回募集する地域おこし協力隊の方が、『将来的に商店街や網走で起業したい』という原動力で応募していただくのも大歓迎です」と田中さんは話します。

https://www.instagram.com/mutenkagohan88/
https://www.instagram.com/takoyaki6557/
▲現在、商店街には新しい店が開業し始めています。

網走中央商店街の新陳代謝が少しずつ始まっています。

網走で挑戦してくれる人を待っています

最後に、今回の地域おこし協力隊募集について話を伺いました。

「今回の地域おこし協力隊のミッションは、まちなかの活性化とにぎわいづくりです。WATARAやnascitaなどのまちなか網走のハードを生かしてこの町を盛り上げてほしいです」と田中さん。

また、3年間の任期中、田中さんや町の人たち、そして町に訪れる人々との交流の中で自分の挑戦プランを練ることも可能です。

「勤務体系は網走市の会計年度任用職員なので、基本的に平日はnascitaでの勤務となりますが、休日などを使い3年間の任期中にお店作りに挑戦して、任期終了後に商店街の空き店舗を利用して開業をするなど、そういう志がある方にもぜひ来ていただきたいです。空き店舗探しなど、私たちが応援できることもたくさんあります」と田中さん。

自分のお店の開業前に、商店街の中で働くことで見えてくることがたくさんあるはずです。

田中さんと、現地域おこし協力隊の浦さん(浦さんには後編でお話を伺います)

網走の町にさまざまな変革を起こしている田中さんやまちなか網走のスタッフと一緒に、まちのにぎわいづくりに挑戦する人を募集しています。

挑戦したいことがある人も、地域活性化に興味がある人も、地域おこし協力隊での3年間はかけがえのない経験となるはずです。

地域には、あなたを待っている仕事があります。
ご応募お待ちしています!

<募集概要>
・採用元:網走市
・募集職種:地域おこし協力隊
・雇用形態:網走市の会計年度任用職員として任用
・給与:月給16万4100円~20万4200円
・待遇・福利厚生:社会保険完備(健康保険、雇用保険、労災保険)、年金(厚生年金)
・仕事内容:コワーキングスペース・ゲストハウスの運営
・勤務地:北海道網走市(コワーキングスペース「ナシタ」)
・勤務時間:8:45~17:30(休憩時間 1時間00分)
・休日休暇: 週休2日制、有給休暇10〜12日、年末年始休暇
・応募資格:要普通免許
詳細の募集要項と応募については、以下の募集ページをご覧ください。
https://www.machi-cen.com/%E7%B6%B2%E8%B5%B0%E5%B8%82

取材・文

吉田拓実

東京大学大学院博士課程修了、博士(農学)。 2011年より株式会社リバネスで主に科学教育事業に携わる。2019年夫婦で退社し、北海道網走郡美幌町で新規就農に向け研修を開始。2022年より「さいこうファーム」として営農開始。同時に夫婦で執筆ユニット「再考編集室」を結成し、地域や人の豊かさを日々発信しています。
写真は、左から、吉田拓実、吉田紡、百目木(吉田)幸枝
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