【釧路市音別町地域おこし協力隊】自然と人をつなぐ観光拠点をつくる!キャンプ場の未来を描く仲間を募集します
大都市や全国的に名の知られた町ほど、その土地を表す共通のイメージのようなものがあると思います。たとえば大阪なら道頓堀や新世界、食い倒れ。福岡なら中洲の繁華街や辛子明太子などなど。
けれど当然、町にはさまざまな環境や側面があり、どの一角も同じというわけではありません。大阪や福岡にも山林地帯や田園地帯があるし、地元の人ならもっと狭い範囲で各地域をイメージすることができるでしょう。あまりに広い北海道なら尚更、とても一括りにできるようなものではなく、同じ管内に暮らす人ですらよく知らない地域がたくさんあるのです。
今回ご紹介する音別町も、そんな「まだ見ぬ北海道」の一つと言えるのではないでしょうか。
音別町は釧路管内の最西部に位置し、西側は十勝管内の浦幌町と接しています。南は太平洋に面し、北は町域のほとんどを占める豊かな森林地帯。農業と林業を基幹産業としており、とくに大きなフキは古くからの名物で、食べるためのフキだけでなく、良質な繊維を活かした手漉き和紙「富貴紙(ふきがみ)」が唯一無二の特産品となっています。
かつては白糠郡音別町でしたが、2005年に阿寒町とともに釧路市と合併し、釧路市音別町となりました。
しかし正直なところ、釧路市内の人ですら「どんな町かよく知らない」という人も多いのが現状。そこで現在、自然豊かなキャンプ場を中心にこの町の魅力を再発見し、情報発信やイベントの企画を一緒に考えてくれる地域おこし協力隊のメンバーを募集しています。
まだあまり知られていないからこそ、伸び代ばかりといえるこの町で、新たな人の流れや前例のない企画を創造してみませんか?
音別町パンフレット
https://www.city.kushiro.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/594/ombetsu.pdf
<こんな方におすすめ!>
・自然とのふれあいやアウトドアが大好き
・キャンプの経験がある、これからやってみたい
・人の交流を生み出す仕事に興味がある
・地域の人と関わるのが好き
<募集概要>
釧路市音別町地域おこし協力隊 1名
町内にある「憩いの森キャンプ場」の利用促進のため、運用の見直しやイベント企画を発案し、魅力アップにつながる活動を行います。また、地域の人や観光関係者と連携し、フキなどの特産品や自然環境を活かした観光コンテンツの開発を行います。
求人詳細(求人条件や業務内容の詳細情報
地域おこし協力隊募集(観光振興支援員)
詳細は本記事の最後に記載。
音別町ってどんな町?来てみて初めてわかったこと
今回お話をうかがったのは3人。すでに地域おこし協力隊を卒業し、今も音別町で暮らし続けている本間忍(ほんま・しのぶ)さんと、2024年度に音別町行政センター地域振興課に異動したばかりの塩澤拓登(しおざわ・たくと)さん・小山真里奈(こやま・まりな)さんです。
本間 私は出身が釧路市なんですよ。音別町までは車で30分ほどですが、ほとんど来たことがなくて。特産のフキを使って富貴紙(ふきがみ)という和紙を作っていることも、協力隊に入る時に初めて知りました。
その時の募集では紙漉きの技術承継と、地域の特産品の普及促進・情報発信という活動内容でした。若い頃にホームセンターで材料を買って紙漉きの道具を作り、ハガキサイズの紙を漉いて遊んだ経験もあって、ぜひ携わりたいと応募しました。46歳の時かな。
音別町には釧路の中心部のような娯楽施設はありませんが、個人的にはそれがないから生きていけないわけじゃない。食事をする店もコンビニもスーパーもあるし、生活するうえでとくに不自由はないですね。
何より、景色がいいんです。「音別新八景」という8カ所の景観地があって、森の中の滝だとか、海が見える丘だとか、そういうところを散歩がてらに歩いたりしていればもう、十分楽しんで生活ができています。
海岸線を見渡せる「尺別(しゃくべつ)の丘」という所があるんですが、そこは鉄道好きの方にも人気があって。海沿いに続いてる線路に根室本線の列車が通る様子を、丘の上から見られるんです。これは実際に見たら「すっげぇな」って感動しますよ。
あと夏しか行けないんですけど、「小音別川上流の滝」というところがありまして、かなり遠いんですけど、僕は年に一度か二度、そこに足を浸けるためだけに行っています(笑)。森の中の本当にきれいな場所ですよ。
それから、廃校を利用した「こころみ」という体験学習センターには国内でも指折りというような天体望遠鏡があるんです。そこで土星を見せてもらったり。
音別に来ないと知らなかったことがたくさんありますね。
音別新八景
https://www.city.kushiro.lg.jp/shisei/gaiyou/1006797/1006798/1006811.html
塩澤 音別地域はフキが特産品として有名なんですが、フキの皮を原料にした和紙というのは日本で唯一のものです。近年、国際的にも和紙の価値が高まっていることと、雇用の場の拡大や地域の活性化を図るために、文化継承をしていこうという動きが始まりました。本間さんには音別町で初めての地域おこし協力隊として来ていただいたんですよね。
といっても、僕も釧路出身なのに音別町行政センターに配属されるまでは音別のことを全然知りませんでした。来てみたら、名所になるようなきれいな滝や桜並木があったり、「ルート38音別館 おんぽーと」という音別地域交流拠点施設で売っているパンが美味しかったり。
音別は大きな生シイタケも特産品なんですが、「しいかつバーガー」というシイタケを使ったハンバーガーを販売しています。町内の人はかなり早い時間に買いに来たりするので、昼過ぎにはもうなくなっていることもあるくらい人気ですよ。
小山 私たちは釧路市役所から来たばかりで初めてのことがたくさんあったんですけど、地域の人との距離感の近さというのはこれまでにない感じがしますね。
私は音別に来るまで3つの部署を経験しましたが、イベントにしても打ち上げにしても、こんなに地域の人と深く関わることはなかったなと思います。
もともと白糠町の出身で高校卒業後に釧路市役所に入りました。音別は近いのに、今までよく知る機会がなかったんですよね。わからないことがあれば本間さんに聞いています(笑)。
紙漉きの技術を受け継ぎながら、人とつながり、定住へ
本間 僕は音別町に移住して5年目になります。
今は「釧路和紙工房」という自宅兼店舗を構えていて、協力隊の活動の中で知り合った作家さんの富貴紙作品を展示販売しながら、ちっちゃいですけど一応自分の工房も設けています。僕の作ったものは販売していませんが、今いろいろ試作しているところでもありますね。
そもそもフキは昔から音別の特産品だったんですが、その加工場ができて、フキの皮が産業廃棄物として処理されていたんですよね。それを何かに使えないかと探ったところ、フキの皮に良質なパルプ質の繊維が含まれているとわかったそうで。
33年前に、フキの皮を原料とした紙漉きが生まれたそうです。旧音別町の振興公社が富貴紙の事業をしていたので、市町村合併に伴っていったん休止状態になった。
それでも細々と技術は受け継がれていて、小中学校の卒業証書にだけは富貴紙が使われていたんです。そんな折に、ユネスコの世界無形文化遺産に「日本の手漉和紙技術」が登録されたことから、改めて音別の富貴紙が事業化されたという経緯があります。
それで富貴紙の技術承継を目的とした協力隊員を募集していて、僕が応募したというところですね。
協力隊の活動で僕自身が大事にしていたものの一つが人脈形成でした。
と知り合って関係を深めていく中で、音別にある「富貴の里レジデンス」というゲストハウスの運営を引き継ぐことになったり、閑散期はキクイモという、これも音別の特産品のイモの植え付けや収穫を手伝ったり、フキの加工場を手伝ったり。おんぽーとにも富貴紙の工房があって、そこも手伝いに行ったり。
協力隊は地域の人と知り合うことが多いので、そういう部分で非常に助けられました。おかげで今は、一年を通して地域のいろいろなことに関わりながら生きているような感じですね。
協力隊に入って最初の3カ月は富貴紙の技術習得のための訓練をしたんですが、いやもう、おもしろかったです。どこでも出来る体験じゃありませんし、自分で作った物が地域の特産品として世に出るという高揚感もあって。
釧路市に合併してから釧路市民でも「音別町って釧路市だっけ?」という人が未だにいるんです。富貴紙に携わったことで、音別のことを知ってもらいたいという気持ちになりましたよね。そのための普及活動とか販路開拓が僕の役割でした。
協力隊として3年の任期を終えたあとも、音別以外の所へ行くという選択肢は僕の中に全くありませんでしたね。協力隊を卒業する前から、以前は新聞屋さんだったという土間付きの空き家が見つかって、工房もできそうだからこの物件が欲しいなと思っていたんです。それで家主さんと交渉して、買うことができました。
そこにショップを作って、富貴紙作家さんの作品を展示販売しているんですよね。僕の作品は売っていません。作品はまだまだ世に出せるようなものではないんです。ただ、和紙って今は実用品というよりも、芸術品的なものでもあるので、自分が作った紙を見て「これいいね」って言ってもらえるのが目標ですね。
それまでの僕の仕事とか働き方とは全く違う。僕としては「助けていただいた」という感覚ですよ。
言い過ぎかもしれないですけど、景色にしても人にしても、身も心も洗われるような地域だと思いますよ。
自然環境が一番の魅力!音別町のキャンプ場に変化を
塩澤 今回の地域おこし協力隊募集では主に、「憩いの森キャンプ場」の利用促進を目指しています。
去年、憩いの森の整備事業を行なってトイレをリニューアルはしているんですが、近年利用者数が横ばいになっているのをどうにかしたい。音別町の中心部から車で20分くらいの山の中にあるキャンプ場です。
小山 フリーのテントサイトが50張り分と、バンガローが20人用と7人用合わせて4棟。そして管理センターがあります。
ここに詰めていただくわけではないんですが、通うことは多くなると思います。
このキャンプ場を活かしたイベントの企画や、改善のためのアイデアを出してくれる人を募集します。
塩澤 2024年はゴールデンウィークから10月末までの半年間の営業中に、利用者数が1139人。
今後の方向性を含め、どう活かしていくのか悩んでいる状態なので、一緒に考えてくれる人に来てほしいと思っています。
小山 キャンプ場のお風呂について問い合わせがくることもあるんですが、キャンプ場に限らず音別地域自体に入浴施設がないんです。入浴施設を造るなど大きな予算はかけられませんが、外部の専門家のアドバイスなどもいただきながら、少し整備していこうという話にはなっているところなんです。今後、できるだけ実現可能なことを進めていきたいですね。
塩澤 キャンプ場がオープンする5月上旬頃は桜の開花期と重なります。場内だけじゃなくキャンプ場へ続く道にも桜並木 があって、その時期は例年利用者が多いです。満開時にライトアップもするんですよ。
小山 しかもバンガロー以外は、入場料やバーベキュー台の利用料が無料なんです。日帰りでデイキャンプも気軽にできますし、キャンプ場のすぐそばには音別川が流れていて、そこで川遊びやアメマス釣りも楽しめます。自然を満喫できる素晴らしいキャンプ場なのに、利用者が少ないというのがもったいなくて。
北海道には有名なキャンプ場がいろいろある中で、知名度がまだ低くてインターネット検索でもあまり出てこないような状態です。
キャンプ場の横にはふれあいの森という場所もあって、スモモやリンゴ、木の実など、実のなる木がたくさん生えているんです。食べられるわけではありませんが、小さなお子さんなどはすごく楽しいと思います。
住居も安心、副業OK。音別町の未来を一緒に作りたい
小山 キャンプ場の営業が終了する11月以降は、観光コンテンツの開発や冬の観光情報の発信、翌年に向けてのイベント企画などに当てることになると思います。
作業スペースは一応、行政センターの中にもあるのですが、委託型になるので、基本的にデスクワークはどこでしていただいても大丈夫です。ご自宅で作業して、会議や打ち合わせは行政センターで、ということも可能です。
塩澤 届出をしていただければ副業も認められています。今いる協力隊の方でも、富貴紙を個人で販売したりということもしていますね。
今回募集する業務の中には特産品の普及促進なども入っているので、そういった形でPRしてもらえると嬉しいですね。
小山 任期は3年ですが、その後も音別町で暮らし続けたり関わりを持ったりしていただきたいですから、任期後に町とどう関わるか、生業を持つかを考えるために役立つ研修なども相談に乗れると思います。
方向性や進み具合にもよりますが、ゆくゆくは観光体験ツアーの会社を立ち上げたりという可能性も考えられますよね。
また、任期中の住居は職員住宅に余裕がありますので、こちらに入居していただくことが可能です。他の家を探していただいても構いません。
塩澤 自然やアウトドアが好きな方はもちろんですが、本間さんのように、地域の方と明るくコミュニケーションが取れる人が向いているのかなと思います。イベントで関わる町内の人はけっこう面白い人たちが多いんですよ。そこに馴染めるといいですね。
釧路市の片隅で美しい自然風景を残す音別町は、まだ誰もやったことのない挑戦にあふれている場所と言えそうです。
新しい風を吹き込み、人を呼び込む地域おこし協力隊のお仕事が待っています!
募集要項
<求人内容詳細>
▼募集職種
釧路市地域おこし協力隊 観光振興支援員1名
▼任期
委嘱期間は委嘱の日から令和7年3月31日までとします。(令和7年3月1日の委嘱を想定しています。)
翌年度以降の委嘱については、活動状況や実績を勘案して委嘱期間を更新することができます。(最初の委嘱の日から最長3年間)
▼委嘱形態
① 釧路市と業務委託契約を締結し、この契約に基づいて業務を実施していただきます。よって市とは雇用関係にないため、健康保険及び年金等はご自身で加入し、保険料等を負担いただくことになります。
② 勤務時間については、原則月間120時間以上とします。ただし、1月に満たない月は、1月あたりの勤務日数の分母を20日とし、1週あたりの勤務日数を5日(日曜日及び土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、12月29日から翌年の1月3日を除く)、1日あたりの勤務時間を6時間とした場合を基準に計算した勤務時間以上とします。
③ 地域おこし協力隊には月に1回、活動内容・時間・経費等を含めた活動報告をしていただきます。
④ 地域おこし協力隊の活動に差し支えない範囲で兼業を認めます。(要届出)
▼委託料
① 人件費
月額350,000円(年額上限:4,200,000円)を支払います。ただし、毎月の活動内容を審査します。
② 活動に要する経費
本業務に必要となる以下の経費については年額1,000,000円を上限に支払います。ただし、毎月の活動内容を審査いたします。
・国民健康保険料
・年金等の保険料等(実際に掛かる保険料の1/2以内)
・住居借上料(実際に掛かる住宅料の1/2以内)
・車両維持費(走行距離数に応じて算定 燃料費含む)
※対人及び対物保証が無制限の任意保険へ加入すること
・通信費(パソコン・インターネット関係)
・備品・消耗品・印刷費
・傷害・損害賠償保険
・活動旅費、研修・資格取得等に要する経費等、地域おこし協力隊推進要綱(平成21年3月31日付け総行応第38号総務事務官通知)に基づいて市が適正と認めたもの
※上記金額は全て税込み金額とする。
▼応募方法
釧路市地域おこし協力隊観光振興支援員応募用紙に必要事項を記入の上、写真及び必要書類を添付して郵送していただくか、釧路市ホームページに掲載している応募フォームよりお申込みください。
応募フォーム: https://logoform.jp/form/5Kjn/ombetuchiiki2231
【提出先】
〒088-0192 北海道釧路市音別町中園1丁目134番地
釧路市音別町行政センター地域振興課地域振興係宛
※提出された書類は返却いたしません。
▼選考方法
① 選考方法について
応募者を対象に令和7年1月31日(金)に書類選考及び面接を釧路市音別町行政センター若しくはウェブで実施いたします。
※応募用紙が到着次第、お電話にて面接の時刻等をご連絡いたします。
※選考に必要な交通費等は個人負担となります。
② 選考結果について
選考結果については、2月上旬に文書及びお電話にてご連絡いたします。
業務委託契約締結のうえ協力隊の活動を開始していただきます。
▼申込受付期間
令和6年12月27日(金)~令和7年1月31日(金)午後5時まで※必着
▼問い合わせ
〒088-0192 北海道釧路市音別町中園1丁目134番地
釧路市音別町行政センター地域振興課(担当:塩澤・池本)
TEL:01547-6-2231
FAX:01547-6-2434
E-mail:ogchi-chiiki☆city.kushiro.lg.jp
(☆→@に変えてお送りください)
▼募集詳細
https://www.city.kushiro.lg.jp/sangyou/kankou/1006227/1009908/1011461.html
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※本求人に関しては、下記お問い合わせフォームではなく、直接釧路市音別町行政センター地域振興課担当の方へお問い合わせください。
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