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牛の環境づくりのプロが馬にも挑戦!帯広競馬場でばん馬も人も喜ぶ環境づくりを担う社員を募集します

募集中  - 

みなさん、馬は好きですか?
「はい」と答えたあなたに、ぜひ知ってほしい十勝らしい仕事を今回はご紹介します。「馬に携わる職業」と聞いて思い浮かぶのは、どんな仕事や環境でしょうか。
牧場、乗馬クラブ、競馬場、調教師、厩務員、獣医師、装蹄師…どれもが間口が狭く、市街地で暮らしているとなじみがない上、独特の業界のため足を踏み入れづらいように感じるかもしれません。

話は変わって1998年のこと。「ずっと憧れを持っていた馬の仕事をしたい」と馬の牧場でのアルバイトを始めてみたものの、あまりの厳しさに挫折してしまった大学生がいました。
彼の名は、細谷昌弘さん。現在、株式会社ジョインの代表を務め、牛舎のハエを抑えるための殺虫剤散布や、牛舎を快適に保つための環境づくりを手伝うパートナーとして道東を中心に事業を行なっています。

そんな細谷さんに、世界で唯一のばんえい競馬を開催する帯広競馬場で仕事をする獣医さんから相談が舞い込みます。「厩舎でハエが大量発生して困っています。牛舎でハエを抑えられているなら、馬でもできませんか?」と。
馬の仕事を諦めたあの日から25年。「この相談を解決できるのは、きっと日本中で自分しかいない」細谷さんはそう確信したと言います。そして2023年から帯広競馬場へ出向き、殺虫剤散布や馬糞拾い、草刈りなどの場内の環境を整えるサポートを始めました。過去、厳しい馬の世界から逃げたにも関わらず、思ってもみなかった形で馬と関わりを持つ接点が生まれたのです。

今回は、帯広競馬場で環境づくりのマネージャーとして勤務してくださるジョインの社員を募集します。

<こんな方におすすめ>
・動物が好き
・一次産業を支える仕事に興味がある
・自ら仕事をつくろうという開拓精神を持っている

<募集要項 概要>
▼雇用形態
契約社員(正社員登用もあり)
▼仕事内容
帯広競馬場での殺虫・殺菌剤の散布作業、場内での馬糞拾い、草刈りなど。合わせて元々のジョインの業務である牛舎での殺虫・殺菌剤の散布作業、牛舎通路のコンクリートの切削工事などを請け負うスタッフも募集します。帯広競馬場の管理人としての社員は、十勝在住もしくは移住してくださる方。それ以外の正社員は道東を中心に、住みたい地域で長く暮らしてくださる方を募集します。詳細は本記事の最後に記載。

日本の酪農家と畜産農家に伴走するジョインとは?

今年創設10年を迎えたジョインは、これまで主に北海道と九州で酪農家さんと畜産農家さんに寄り添ってきました。詳しい事業内容に関しては下記リンク先の過去記事をご覧ください。

オホーツク地方の紋別市を本社とし、ジョインの社員は道東の各地域と九州へ散らばっています。
社員の住みたい場所を尊重し、その地域での仕事を任せるスタイルです。転勤は基本的にありませんが、希望があれば住みたい地域に移り住むことも可能です。

牛も馬も。ハエに悩まされている現状を救いたい

ジョインでは、お客さんや牧場に出入りしている獣医さんからの紹介で新規取引先が増えるケースも非常に多くあります。ジョインの事業内容を知った帯広競馬場に出入りする獣医さんから、冒頭の通り細谷さんへ相談があり、細谷さんは様子を確認するため競馬場へ足を運びました。

細谷 場内の関係者に話を聞くと、年々ハエの発生がひどくなっているとおっしゃっていました。昔は4つの競馬場で開催されていたのが帯広単独になって十数年経ち、馬が1箇所に留まるようになった。そうすると馬糞などが原因でハエの卵が増えるのは当然です。厩舎はもちろん、パドックや観客席にもサシバエが大量にいました。きっと観客席で気になっていた方もいたでしょう。

何より、馬がつらいと思うんです。馬は洗い場で洗ってもらったあとブラッシングしてもらうのですが、つながれている状態。そうすると厩務員さんが少し離れたときに、身体中にサシバエがまとわりついて血を吸い放題なわけです。サシバエは民家に出るイエバエと違い、蚊のように馬や牛、時には人間をも刺して血を吸うハエ。尻尾でも追い払えない。牛と同じように馬も助けたいと思いました。

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「この黒点は血糞(けっぷん)といい、サシバエが馬の血を吸った証拠」と話す細谷さん。厩舎から距離が離れている観客席にまでもハエが飛んできていたことがわかります。

しかし普通の牧場とは違い、ここは競馬場。相手にするのはいつも相手にしている乳牛ではなく、競走馬です。万一殺虫剤の散布中などに馬が暴れて怪我をしてしまった場合、多額の賠償金の支払いが必要になり、保険をかけることもできません。また、殺虫剤の中にもし禁止薬物が含まれていたら…ペナルティとみなされ調教師さんが責任を取ることになります。

つまり、あまりにもリスクが高いのです。細谷さんは最初に連絡を受けたとき「率直に怖かったですね」と打ち明けます。

細谷 万一何かあった際、簡単に解決できるような話ではない。加えて、確認しなければならないことも多い上、確認方法すらわからないことだらけ。冷静に経営者として考えると、現状の事業でうまくいっているのにわざわざ手を出す必要があるのかと悩みました。けれど、馬に携わる仕事は中学生の頃からの私の夢。当時、トウカイテイオーが活躍する姿を見て以来、この業界に入りたいと憧れていた仕事でした。

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「トウカイテイオーは何度も骨折して、なかなかレースに出られなかったんです。長期休養のハンデがあっても果敢に挑戦して勝利を掴み取った光景を思い出し、一度や二度の挫折なんてなんてことないと思いました。私たちにしかできない仕事ですから」

細谷 そして何よりも馬が苦しんでいて、ばんえい競馬に関わる様々な方が困っている。『なんとかしたい』という思いに応えたい気持ちが勝りました。我々にしかできないことだから、やるしかないと覚悟を決めました。

細谷 馬に憧れて帯広畜産大学に入学してすぐ、日高地方の牧場へアルバイトに行ったんです。毎日怒られてすごくしんどくて、私は逃げて帰ってきてしまった。そんな自分にまさかこんなふうに馬と関われる日がくるなんて。確かに自分にしかできない仕事です。


認めてくれるから、もっと頑張ろうと思える。予想外だった競馬場内での反応。

導入にあたっての多数の不明点は、関係者の方が各方面に確認を進め無事にすべて解決できました。また、初めての殺虫剤散布の際は、調教師さんや厩務員さんがついてくれ、馬を一度外に出してくれたりなど全面的に協力してくださったそうです。細谷さんの作業の様子を見ながら「これなら大丈夫だね」と声をかけてもらい、信頼を得ていきました。今でも初めて散布を経験する若馬には、必ず付き添ってくださるそうです。

当初より、殺虫剤散布だけでなく発生源から改善してほしいと要望があり、紋別市に住んでいた細谷さん一家は帯広市に移住。2024年4月から馬糞拾いと草刈りも始めました。

最初は一人でやってみたそうですが、日が暮れても終わらず途方にくれたと言います。道具も揃っていない状態でしたが、「様子をみていた厩舎村の方たちが『この道具を使ったらいいよ』『こうしたらもっとやりやすいんじゃないかい?』と見守りながら教えてくださり、助けられました」と話します。

細谷 一人では難しいと最初からわかってはいたので、アルバイトの方数人とのチームで業務を担うことを想定していました。でも馬糞を拾う仕事をやりたい人がいるのだろうか。恐る恐るスキマバイトアプリのタイミーを使い、3時間の募集をかけてみたところ応募してくださった方がいたんですよ。驚きましたね。

そうして何度も仕事に入ってくださる方に声をかけ、現在6名をアルバイトとして採用。1日3名体制でシフトを組み、馬糞拾いと草刈りを任せています。

細谷 競馬場に閉鎖的なイメージを勝手に持っていましたが、中に入ると全然違いました。私もアルバイトさんも懸命に馬糞拾いと草刈りに日々励んでいます。すると、作業途中で調教師さんから呼び止められて『頑張ってるな』とジュースをいただいたり、わざわざ私たちの様子を他の関係者の方に伝えてくれたり。アルバイトさんも場内の方からよく話しかけられると言っていました。頑張っているから認めてくれるし、認めてくれる人がいるから我々も頑張れるんです。最初は不安しかありませんでしたが一番忙しい夏も乗り越えて、なんとかやっていけると思っています。

実際に誰が見てもはっきりとわかるくらい、ハエは減ったとのこと。調教師さんや獣医さんからもお墨付きをいただいています。また、馬糞の匂いがほとんどしなくなったと声をかけてもらうことも増えました。細谷さんは、「自信を持って環境が変わったと言えますね。やはりこの仕事は我々にしかできない仕事だと確信しています」と胸を張ります。そして、「全国の競馬場でも同じように困っているかもしれません」と続けます。

細谷さんのこれからの夢は、帯広競馬場での仕事を日本各地の競馬場で展開していくこと。そのためにも今回帯広競馬場のマネージャーとして常駐してくれる社員を雇いたいと話します。

「馬糞を拾い、草刈りをしながら馬の近くにいることがアニマルセラピーになるんです」

実際に競馬場内で働いてみてどんなことを感じているのでしょうか。ジョインでアルバイトとして働く2名の女性の声を紹介します。

10代の女性 焼肉屋さんでのバイトとここでの仕事をかけ持ちしています。最初この仕事を見つけたときに、『なんだこの仕事?!』と思い興味本位で飛び込んでみました。私はもともと馬糞拾いにまったく抵抗はありませんでした。一人で黙々と作業もしますが、作業中にみんなと話しながら仕事をできるので、コミュニケーションが楽しくて私は続けているのかもしれません。調教師の方たちが話しかけてくださることも多く、『馬を触っていいよ』と言ってくださって。馬が特別好きではない私でも「こんな仕事は他にない!」と感じるような機会をいただいています。

30代の女性 私も他の仕事とかけ持ちで働いています。私は接客業よりも黙々と作業するのが好きなんです。私たちが整えた場所で実際にトレーニングしている馬を間近で見られて、すごくやりがいを感じています。場内の方は一見すると恐く見えますが、みなさん本当に優しくていつも気にかけてくださいます。また、別のアルバイトさんと『この仕事ってアニマルセラピーだよね』と話しています。作業を終えたあとに達成感をすごく感じられる。動物が好きなのでこれからも長く働きたいです。

今回はまさに、「こんな仕事が世の中にあったのか」という驚きに満ちた仕事内容でした。

また、これまで細谷さんやジョインの社員の方を何度か取材していた筆者ですが、細谷さんが馬に憧れていた原点に触れ、「頑張れば必ず誰かが見てくれているし、きっとその先にご褒美が待っている」ということも感じました。綺麗事のように聞こえてしまうかもしれませんが、一度諦めてしまった馬の仕事にこんな形で携わる機会が巡ってくるなんて、細谷さんが懸命に仕事に取り組んできた証だと思うのです。

もしかすると細谷さんのように馬の仕事を諦めてしまい、苦しい思いをされた方もいるかもしれません。そんな方にこそ、もう一度この仕事はチャンスをくれると思います。

馬に携わる仕事がしてみたかったあなた、一緒に競馬場で働いてみませんか。こんなふうに馬の近くにいられる仕事は、他にありません。少しでも興味を持ってくださった方からのご連絡をお待ちしています。

【応募要項】
●仕事内容

職種:帯広エリアマネージャー(帯広市)
仕事内容:十勝帯広エリアを中心とした以下作業ならびに社長業務の補佐
作業:帯広競馬場での仕事のほか、酪農家を巡回し、殺虫・殺菌剤の散布作業、牛舎通路のコンクリート切削工事、石灰の塗布作業及び受注業務、施工日程調整など営業事務
雇用形態:契約社員(正社員登用もあり)
試用期間:試用期間あり(期間 1か月〜3か月)
※試用期間中の労働条件:同条件

●賃金・手当
・賃金
月額:242,875円〜
※基本給(月額平均または時間額 月平均労働日数21.7日):188,500円
※固定残業代:あり  54,375円
時間外手当は時間外労働の有無にかかわらず、37時間30分を固定残業代として支給し、3か月以内に不足分を消化、37時間30分を超える時間外労働は追加で支給。
・そのほか
家賃補助:家賃の半額から最大3万円(会社都合による転居の場合)
スキルアップ手当:2万円/月
宿泊手当:2千円/泊
現場手当:2千円/日、食事代含む
現場移動手当あり
通勤手当:実費支給(上限あり) 月額10,000円
昇給:あり(前年度実績あり)
賞与:あり(前年度実績あり)年2回(前年度実績)
賞与月数 計2,50ヶ月分(前年度実績)

●勤務時間・休日
就業時間:フレックスタイム制
一般的な就業時間
8時30分〜16時45分
就業時間に関する特記事項
※フレキシブルタイム 5:00〜22:00
年間休日数:104日
休日等:週休2日制 その他
※休日は会社のカレンダーによる
※6ヶ月経過後の年次有給休暇日数10日

●必要な経験
必要な経験等:あれば尚可(農業関係業務の経験)
必要なPCスキル:ワード、エクセルで単純な記入と印刷ができる
必要な免許・資格:普通自動車運転免許(必須)
※採用後、限定解除・中型免許取得制度あり(費用会社負担)

●連絡先
代表:細谷 昌弘
電話番号:0158-20-4595
Eメール:m-hosoya@join2join.co.jp

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    ライター

    高山 かおり

    音更町生まれ。帯広三条高校を卒業後、北海道ドレスメーカー学院へ進学。卒業後、都内のセレクトショップで販売員として5年間勤務。在職中の2009年、ルミネストシルバー賞受賞。その後都内書店へ転職し、雑誌担当を務めたのち18年に独立。現在は、国内外のマニアックな雑誌に特化したウェブサイト「Magazine isn’t dead.」を運営しながらライターとして活動。Magazine isn’t dead. としては小売だけでなく、国内の雑誌やアートブックの卸売サポート、洋雑誌のディストリビューションなども手がける。19年より、十勝毎日新聞「東京圏NOW」毎月第3火曜の執筆を担当し、関東圏で活動している十勝出身者への取材を続けている。

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