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【1Day社会見学】建設業のイメージが変わった日〜釧路・鶴居で体験した1Day社会見学〜

こんにちは!太平洋設備でインターンシップを行っている竹田です。

2025年12月25日に釧路市および鶴居村にて、“地域に寄り添う建設業界”のリアルを覗ける「建設業界1Day社会見学」を実施しました。本記事では、釧路市と鶴居村の建設企業2社による1Day社会見学を通して、学生が建設業界や地域で働くことをどのように捉え直したのかをレポートします。

今回は、受け入れ企業として、釧路市で水道工事や設備工事を担う「太平洋設備」さんと鶴居村で土木・建築工事を担う「佐々木建設」さんのコラボレーション企画。学生2名が参加し、建設業界を糸口に“働くこと”について考える機会となりました。

それでは当日の様子をご紹介していきたいと思います!

企画内容

きつい、汚い、危険…負のイメージを持たれがちな建設業界ですが、その働き方は日々変化しています。建設業界に対する学生のイメージと現場のリアルを近づけ、学生が地域で“働く”イメージの解像度を上げるため、建設業を知る1Dayプログラムを実施しました。

また、あえて「冬の時期」にやったのにも理由があります。建設現場は春から秋にかけての仕事が多く、インターンで現場見学をするとなると冬場は現場が少なく、インターンをしづらいという状況があります。冬場でもインターンをして満足してもらえるような内容にするためにはどんなことをやったらいいだろうか?というのも今回、この時期にインターンを実施した理由でした。

<タイムテーブル>
10:00~        太平洋設備にて集合
      オリエンテーション(自己紹介や業界のイメージについて出し合う)
11:00~        ランチ&若手社員との座談会
12:00~        鶴居村へ移動
13:00~        鶴居村・佐々木建設にて見学&トーク
14:30~        釧路市へ移動
15:30~        解散

参加メンバー自己紹介

今回の企画に参加した学生はこの2名。

釧路高専 専攻科1年 竹田早希
当記事を書かせていただきます。帯広市の出身で大学でいうと学部3年生の代になります。太平洋設備での6か月間にわたるインターンシップに取り組み中で、高専では建築について日々勉強しています。同期が大企業に就職していく中で、地域に根差した企業のリアルにも興味を持つようになりインターンシップへ参加しました。

釧路短期大学1年 渡部慶真さん
遠軽町の出身で釧路の大学に通う1年生。趣味はサイクリングでボランティア活動にも積極的に参加しているのだそう。大学のコミュニティでこの企画の情報をキャッチした渡部さんは、釧路での就職を視野に入れており釧路や釧路の企業をもっと知りたいという思いのもと参加してくれました。

そして、太平洋設備からも橋本さん。中村さんの2名とドット道東からはファシリテーターとして野澤より自己紹介いただきました。
仕事だけでなく趣味のお話も交え、橋本さんの筋トレエピソードや中村さんの愛馬のお話に我々学生たちも驚きながら楽しく自己紹介タイムを終えました。

太平洋設備|オリエンテーションと業界イメージワーク

短大生、高専生、社員とそれぞれ建設業界へのイメージはバラバラ。まずはオリエンテーションとしてそれぞれの建設業界への素直なイメージをポストイットで共有しました。
学生のイメージは本企画を通してどのように変化するのでしょうか。

渡部さん
業界への素直なイメージを出してもらいました。
・力仕事でパソコンを使わない
・ヘルメットを着けて現場へ
・土汚れや怪我が多そう
・単純作業が多いイメージ
・福利厚生、休みが少なさそう

竹田さん
私は高専に通っていることもあり、建設業界で働いている同期や先輩がいるのでその話からこんなイメージを抱いていました
・稼げるイメージ
・高専での学びがダイレクトに仕事に活きる
・残業や休日出勤が多い
・力仕事よりもコミュニケーションの壁

橋本さん
実際に20年働いている中村さんからの建設業界(太平洋設備)の状況を書き出したもらいました。
・地域を作る/地域を守る
・困っている人を助けられる
・稼げる
・仲間意識が強い
・AI時代でも職人職は生き残りやすい

中村さん
太平洋設備の場合、多くの学生が持つイメージとのギャップが大きいというお話しをしてもらいました。
・今はちゃんと休める
・ちゃんと稼げる
・生活が安定している
・意外とIT化が進んでいる
・積極的な働き方改革が進んでいる

私自身は先輩などから話を聞くこともあり、「きつい、汚い、危険…」 などの負のイメージはあまり持っていませんでしたが、はじめて業界のことを知る、渡部くん、想像していたものと同様。やはりイメージは良くない部分があるようです。

太平洋設備さんからも自社の全てが良いわけではないし、会社や業界の中でもいろんな仕事があり、一概に全てを一つに語れない、という話がありつつ、これから就活する人と企業とのギャップがかなりあるんだな、ということを体感できるワークショップになりました。

太平洋設備|事業紹介

オリエンテーションの後は橋本さんより太平洋設備の事業紹介。業務内容から福利厚生、多趣味な太平洋設備の社員さんたちのお話をしていただきました。

参加学生からは昔と比べてハラスメント対策や福利厚生、待遇もよくなっている印象との感想が挙がり、中村さんからは「現場によっては土日仕事が必要なケースもあるが、それは“選ばれた人しかできない仕事”“自分しかできない”と使命感に変わることもあり、給料にも直結する」、「同じ建設業でもスーツの人もいれば現場に出る人もいて、業種ではなく職種で見るという考え方もできる」といった労働に対する価値観に関するお話や「言いたいことを言える風潮が社内に流れていることが大事」といった補足も。

職場環境の改善に努め、社員の生活を大切にする太平洋設備の目線で、業界に囚われずプライベートのお話などもざっくばらんにお話いただきました。

ランチタイム:若手社員との座談会

太平洋設備でのワーク後は場所を移動し、ランチを食べながら若手社員との座談会。

太平洋設備より林さん、佐藤さんの2名の社員が合流し、普段のお仕事や学生時代の研究、就活の話などもしていただきました。
林さんは高専を、佐藤さんは北海道科学大学を卒業しておりどちらも機械系の専攻。卒業後太平洋設備へ就職し、現在は施設事業部現場代理人として活躍しています。

佐藤さんは就職する前の会社や業界のイメージについて、「建設業界ってきついのかな、上の方々とか職人さんとか厳しい人多いのかなというイメージがあったが、全然入ってみたらそうでもなかった。だらしないことしてたら怒られますけど、計画持って素直に働いてたら全然。残業も多いのかなと思っていたが、太平洋設備は定時で“この時間までにこれ終わらせて帰ろう”という雰囲気」と、働いてみてから良いギャップが多いとお話していただきました。

中村さんからは今の若者・学生の感覚での“稼げる”の基準について問いかけがあり、渡部さんは「バイト経験も少ないことから具体的に想像がしにくい」という率直な意見を回答。
佐藤さんは就活当時、「給料よりも年間休日と会社の雰囲気を見ていました」など、年代による就活時の目線の違いにも触れました。

長年採用活動を担当する中村さんは、「就職活動は“己を知る”ことだ」というお言葉も。「自分の好みや得意不得意、趣味が分かればその目線で仕事を見に行ける。それが明快になると、業種ではなく“その業種の何の職種で採用してるか”を見て、自分はここと気付けるようになる。」というお話に、自分に何が向いているのか模索中の学生は興味深く耳を傾けていました。

鶴居村・佐々木建設:事業説明

ランチ後は林さん、佐藤さんと別れ鶴居村へ移動。午前中に共有した学生からの建設業界へのイメージに触れつつ、佐々木建設さんにて事業の説明や社屋等の案内をしていただきました。

まずは佐々木建設社屋内のコラボレーションエリアにて事業説明。

佐々木建設では建設工事をメインに請け負っており、土木・建築・インフラ維持に努めながら、地域貢献を意識し、鶴居村へコミットしながら歩み続けています。佐々木建設も太平洋設備と同様に働き方改革が進み、学生からのマイナスなイメージに対してはギャップがありました。

佐々木社長からは学生が持つ業界へのイメージ共有について、「業界とは何を指すのか?建設会社でも建物を作る会社と土木の会社がある。佐々木建設は発注者と業界分けすることもできる。そこには国の発注者、地方自治体の発注者、民間の発注者もいる。“業界とは何か”を深堀するのが重要」とお話してくださいました。

佐々木建設は、“建設工事を通じて社員の幸福を実現し、地元鶴居とともに歩む”を理念にしており、事業内容や地域貢献の仕方に多少の違いはあれど、社員やその家族、地域を大切にする姿勢に共通点が見られました。

鶴居村で創業した佐々木建設。原点を忘れず地域貢献を続けていく姿勢が印象的で、鶴居在住で高校生の保護者である社員には通学費として鶴居から釧路までにかかるお金を必ず全額支給しているのだとか。
新入社員の条件にも「鶴居に住むこと」を入れており、寝泊まりするだけじゃなくて、イベントに参加したり、サークル活動したり、村の一員になってもらうことを念頭に採用を行っています。
会社には2世社員も2名在籍し、役場や消防にも社員の息子が働いてたりするそうで、会社を地域単位でとらえることで“会社が地元”に根付くことを意識されていることが伝わります。

また、佐々木社長からは「今は建設業の魅力という話をしているけれど、やっぱりその人にとって居場所があるかどうかが大事。自分はこれが好きを直感で的中させるのは奇跡に近い。入る時は“この会社ならやっていけそう”、“この先輩なら行けそう”と、人を見て決めることも時には大事」と学生へのアドバイスもいただきました。

佐々木建設:コラボレーションエリアと新しい取り組み

佐々木建設での事業説明に使用させていただいたコラボレーションエリアは、佐々木建設で出た廃材などを活用して自社でデザインされたワークルームで、社員だけでなく社長も一緒になって話し合いながら作り上げられた空間。
それぞれの素材について、空間づくりに用いられた経緯や社員研修からインスピレーションを得たというエピソードを交えて案内してくださり、佐々木建設のプライドと遊び心が詰まった素敵な空間を体感させていただきました。

また、社屋を離れて佐々木建設が手掛けた公民館の見学もさせていただきました。

最初は選挙事務所の建設の依頼が来たことが始まり。選挙の時にしか使われないものをつくるよりも、日頃から地域の人に愛される場所をつくろうとの思いからこの建物ができたそう。

中に入ると、学校で使われなくなった図工室の椅子が運ばれて活用されていたり、出来合いのものではなく自分たちの手で有孔板に加工した天井材が見られるなど、ここでも地域に寄り添う姿勢や佐々木建設の遊び心が見られました。

現在は子供たちの英語教室や吹奏楽部の練習などにも使われているそう。建設当初望んでいた通り、地域の人たちに愛されて使われています。

佐々木建設の見学をもってプログラムは終了。佐々木建設の皆さんに別れを告げて釧路へ戻りました。

一日を終えて

釧路市の太平洋設備と鶴居村の佐々木建設によるコラボレーションで実現した今回の1Dayインターンシップレポート、いかがだったでしょうか。

今回は建設業界を知ってもらう1Dayプログラムでしたが、見学できる現場の少ない冬季にいかに学生と接点を持ちながら会社や業界を知ってもらうかという挑戦の一つでもありました。

プログラムを終えた渡部さんは、「社員やその家族、地域を思う太平洋設備と佐々木建設の姿勢に心を打たれ、建設業にも興味がわいた」「学校に企業が出向いてくれることもあるが、限られた時間で表面だけを知って終わることが多いため、今回のような企画で深堀していくのは大事だと思いました。参加してよかったです。」との感想を話してくれました。

そして、私も。普段高専で生活する私も地域に密着した中小企業に興味を持ちつつも大企業の採用情報が目につきやすいなか、今回じっくりとお話を聞く機会をいただけたことで、自分の視野が広がったと感じています。

また、帰りの社内では太平洋設備での今後の若手育成や社内学習の取り組みなど、取り組みたい課題に関するお話も聞かせていただき、学生だけでなく、太平洋設備のお2人も学生と触れ合ったこと、佐々木建設さんの話を聞いて刺激を受けていらっしゃいました。

インターンシップに取り組んだ学生が今回参加した企業に必ずしも就職を希望するとは限りません。それでも、この1日の体験が学生にとって自分の世界を広げるきっかけになると共に、企業と学生を繋ぐ企画の一つのカタチとしてこの記事を読んだ誰かの気付きになっていれば、1Dayインターンシップを開催した意味があったと言えると思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました!