【2023/1/27】リトルドートーin札幌 イベントレポート
こんにちは!ドット道東インターン生、大学3年生の谷郁果です。
大学卒業を控え、どこで働こう、どんな人と働こう、いやいや働くってなんだろう…と考える毎日です。
今回のリトルドートーは「道東で『はたらく』と『移住』を考える~ドット道東が伝える道東のイマ〜」というテーマ。なにやら『はたらく』についてヒントが得られそうだ…とウキウキしながらイベントに潜入してきました。
私と同じように就職を控える学生のみなさんはもちろん、道東にゆかりのある方や道東が気になっている方にも響く言葉や情報がたっぷり。その様子をお伝えしていきます!
「#道東ではたらく」って、一体?
イベントが行われたのは金曜日の18時。やや早い時間にもかかわらず、たくさんの方がお越しくださり、会場は満席に。スーツ姿の方や、学生、お子さんを連れたご家族の姿まで、「道東」という共通キーワードでつながっていきます。
はじめに、ドット道東 代表理事の中西から、会の趣旨とドット道東、「#道東ではたらく」についての説明がありました。
ドット道東は、2020年にアンオフィシャルガイドブック『.doto vol.1』をクラウドファンディングの支援を通して制作しました。その後、読んだ方からの「地元に帰ろう、帰りたい!」「道東に移住してみたい!」という声がTwitterや知人を通して聞こえてきたと中西は振り返ります。
その一方で、道東の各自治体や地元企業から聞こえてきたのは、担い手や若手人材の不足という課題。道東の地域に根差した活動をするドット道東だからこそ感じられた、現場のリアルな声でした。
「『働く人がいないんだよね』というお話を聞く中で、働く側の視点に立った時に、地域の仕事って見つけづらいんじゃないかなって思ったんです。僕らにだったら、働きたい人と働き手を探している人のマッチングができるんじゃないかなと思って始めたのが、『#道東ではたらく』でした」
この事業で目指している中の一つは、「道東の中で同期や同僚のような存在ができる」こと。企業単位ではなく地域単位で働くことを考える「#道東ではたらく」は、5つの自治体と連携しています。
今回の登壇者は、紋別市、足寄町、そして浦幌町から。それぞれの地域のリアルな情報や働く人の声が紹介されました。
紋別市 日常の賑わいを一緒に作っていきませんか?
トップバッターは、紋別市まちづくり整備推進室の内竹弥樹さん。まちなか活用のあらゆる相談の受け付けや、活動を行っています。
紋別市と言えば、流氷とガリンコ号!特産品はカニとホタテで、ふるさと納税の返礼品としても人気が高まり、市の知名度や興味の高まりを感じていると内竹さんは言います。
一方で課題としているのが、商店街の空き店舗の増加。そこで立ち上がったのが「みんなのマチナ化プロジェクト」でした。
「実際に、空き店舗を活用してイベントを行いました。でも、やっぱり『特別な日』なんですよね。そうではなくて、日常の賑わいを創りたい。そのために、一緒に取り組んでくださる方を地域おこし協力隊と地域おこし協力隊インターンを募集しています」
紋別市というまちで、一緒にアクションを起こしてみたい!と思った方はコチラ!
※募集は終了しています
札幌市から紋別市はバスで4時間半。内竹さんがこの日に札幌まで足を運んだのは、「人と人とのつながり」を大切にされているからでした。
「すぐに紋別で働く、という形には結びつかなくても、紋別市に遊びに来ていただくだけで大歓迎です。少しの繋がりが積み重なり、続いていくことで、日常の賑わいができていくのだと思っています」
人とのつながりを大切にしている内竹さん、そして紋別市。顔の見える関係の中で「はたらく」。あの人のために、この地域のために、自分にできることは何だろうと考えながら地域の人と一緒に協働していく、そんな働き方が実現できるのではないでしょうか。
足寄町 誰でも社長になれる会社⁉
会場でなにやらおいしそうなものを飲みながらお話を聞いている方も。そう、足寄町のハードサイダーが会場で販売されていました。
次の登壇者は、ハードサイダーを手がける足寄ひだまりファームの代表、沼田正俊さん。ひだまりファームではハードサイダーの醸造だけではなく、肉用牛肥育、畑作、農作物の直売、そしてカフェの運営も手がけているのです。
「会社の理念は『食を通してしあわせにする』です」
「ところで、みなさんの”しあわせ”ってなんですか?」
沼田さんは、会場にそう問いかけました。熱のこもったお話に会場の熱気もより一層高まります。
「僕らの定義は、『しあわせ』は『笑顔』です。僕らの作ったものを食べてちょっとでも頬が緩んだり、みんなでお酒を囲んでわいわい楽しんだり、そういうしあわせを追求していきたいんです」
ひだまりファームの商品を通して、たくさんの人にしあわせになってほしい。そう思う沼田さんは、社員のしあわせをも追求していました。
「うちでは、社員がみんな社長になるような会社作りをしています。会社の中で、自分自身でなにかを立ち上げて、責任をもって、売る。そのときの喜びって、なににも代えがたいと思っています」
沼田さんのもとで一緒に働きたい!熱い思いをもっと知りたい!という方はコチラ👇
直接お会いしたからこそ感じられた沼田さんの情熱。ローカルで働くと、社長と社員の距離が近いのも魅力の一つかもしれません。
紋別市 住みたい土地で働ける!兼業社員というカタチ
3人目の登壇者は株式会社ジョインの細谷昌弘さん。紋別市と九州に拠点を置く株式会社ジョインは「牛の幸せを追求する」ために、牛舎のあらゆるトラブルを解決する事業を展開しています。
「紋別市にある会社ですが、自分の住みたいところで働ける会社です」
牛を相手にする事業内容。北海道、特に道東はどこにいても牛がいる。そして社員の個性を活かしていろいろな働き方を実現させたい。株式会社ジョインは、独自の「兼業社員」という働き方に取り組んでいました。
このイベントにもお越しになっていた永澤さんは、「兼業社員」として、東京から紋別に移住し、現在は、前職でもあるITのエンジニアという二足の草鞋を履いています。
「今まではデスクワークでしたが、自然に触れる機会が格段に増えました。直接農家さんとコミュニケーションをとったり、牛と接したりする中で、『働く』という価値が形として目に見えるようになったんです。『働く』ということを見つめ直すことができました」
兼業社員という働き方、どこに住んでいても良い⁉気になった方はコチラ👇
「うちの会社で働きながら、自分のやりたいこともやる、そういった方を全力で応援したいと思っています。異業種の方が入ってくださることで、農業にも面白いイノベーションが起こるんじゃないかなって期待しているんです」
働き方は一つではないということを体現している株式会社ジョイン。社員一人ひとりの個性を大切に、社員はそれぞれのライフスタイルを追求できることが、会社にも紋別市にも面白い化学反応を起こしそうです。
浦幌町 自分自身がこの地で楽しく暮らし続けられるように
最後は浦幌町の株式会社リペリエンス代表、合同会社Ofuroto代表社員の小松輝さん。ドット道東の理事も務めます。
浦幌町では2019年から2021年の3年間で20代の転入が転出を上回るというのがニュースにもなりましたが、それらは「うらほろスタイル」という取り組みの結果だと言います。
「うらほろスタイルというのは、地元の子どもたちのために、暮らし続けたいまちをつくっていくという活動です。大人たちが次世代のためにと活動し続け、若者の転入増加や子どもたちの町の愛着度の向上という結果に結びついています」
「それと同時に、浦幌町のことが好きでも働く場所がない、という問題も見えてきた。地元の若者が働きたいと思える職場をどんどん作っていきたいと思って、活動しています」
小松さんは株式会社リペリエンスを立ち上げ、ゲストハウスや就業支援ポータルサイトの運営を行っています。さらに、浦幌町の若者3人で新たに温泉管理事業を担う合同会社Ofurotoも立ち上げました。
まちの子どものために大人たちが奮闘する浦幌町の新事業をもっと知りたい方はコチラ👇
※募集は終了しています
「リペリエンスでもOfurotoでもやりたいことはたくさんあるんです。でも、働く人が足りない。地域には面白い仕事がたくさんあるんです。自分自身もこの地で楽しく暮らし続けられるように、たくさんの仲間とたくさん仕事をしていきたいです」
まちの子どもたちのために大人たちが奮起する浦幌町。何もないと諦めるのではなく、自分たちでつくる。おもしろくないと思うのだったら、自分たちがおもしろくする。自分たちの手で動かしていく、そのワクワクさに心を惹かれる人が浦幌町に集まっています。
あの町に行ってみたい!この人と話してみたい!
盛りだくさんのトークイベントが終わった後は、登壇者と参加者が一緒になっての懇親会。移住を考える方や、就活を控える学生など、さまざまな方が入り混じっての時間でした。
「行ってみたいです!」「いつでもご案内しますよ!」の声も。札幌でつながったご縁が、道東の各地で実を結んでいくかもしれません。
働き方は十人十色。理想の働き方を実現する
地域おこし協力隊、社員が全員社長、兼業社員、職場を作っていく……地域や会社ごとに多種多様な働き方が存在します。働き方だけではなく、暮らし方もいろいろ。
北海道、道東という地でこそ実現できる働き方や暮らし方がある。その選択肢が提示されたイベントになりました。そしてその地域には開拓してきた先駆者のみなさんがいらっしゃいます。時には先輩方に叱咤激励されながら、道東の仲間と一緒に、理想の働き方を実現していくことができるのではないでしょうか。
今回は札幌で開催したリトルドートー。札幌や東京といった都市部に住む、道東にゆかりのある若者と、道東内の自治体や企業をマッチングするためのイベントです。定期的に開催するリトルドートーでは、道東の仕事や暮らしの情報をお届けしたり、参加者同士の懇親会を実施したりと、都市部での道東にゆかりのあるみなさんとのコミュニティ形成を行っています。
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谷 郁果
北海道大学教育学部。札幌生まれ札幌育ち。大学の先輩のつながりで道東に縁があり、訪れるうちにすっかり道東の虜に。教育、地域、メディアなどまだまだ興味が尽きない大学生。
小室光大
北海道で過ごした5年間の学生生活では、道内各地に突撃旅を繰り返していました。この春から東北にて報道カメラマンをしています。北海道が恋しい、、