【前編】「オホーツクの価値」と「生活」をつなぐuminobaで働くパン職人・パティシエールを募集中!
こんにちは。オホーツク美幌町で農業とライターをしている百目木です。
今回の「#道東ではたらく」は、網走市で飲食事業やフードプロデュース事業などを展開しているBlueM(ブルーム)株式会社が運営するuminobaが舞台です。
2021年5月にオープンしたuminobaは「オホーツクの価値」と「生活」をつなぐというミッションを掲げ、オホーツク産品の販売と、フードやドリンクのテイクアウトを行っています。
網走に生まれた話題のスポットとして、連日、地元客や観光客の方たちで賑わっています。
「オホーツクの本物の価値を届けたい」と真剣に話すのは、BlueM株式会社代表取締役の中村守宏さん。
uminobaに込めた思い、そしてオホーツクの本物の価値とは一体どのようなものなのでしょうか?
<こんな人におすすめ>
・食べることが大好きな人
・オホーツクが好きで、その魅力を発信したい人
・自由や変化を楽しめる人
・前向きで向上心のある人
<募集内容>
役職:フードディレクター
スキル:パン職人またはパティシエール
募集人数:1〜2名
仕事内容:uminobaで販売する商品を活用したテイクアウトフードやドリンクの開発、現行メニュー見直し、イベントの企画提案、実施、調理、接客等。
※飲食業界(規模、業態は不問)での実務経験が必須となります。
<募集形式>
正社員
※募集内容詳細はこちらから
「オホーツクの価値」と「生活」をつなぐショーケース
穏やかに波が打ち寄せるオホーツク海の浜辺。晴れた日には、能取岬(のとろみさき)から知床半島の先までが見渡せる場所にuminobaはあります。
暖簾をくぐりエントランスを抜けると、おしゃれな店内に、様々な食品や生活用品が陳列されています。
東京や札幌のセレクトショップのような佇まい。センスのいい店内にいるだけでワクワクしてきます。実は、このお店に並ぶ全ての商品は、オホーツク管内で作られたものです。
さらに商品を購入するだけではなく、その商品を素材にしたテイクアウトフードやドリンクを味わうことができます。
「オホーツクの産品を購入できる場所としては、道の駅などもありますが、このお店はそういったセレクトショップやアンテナショップではありません。
店頭に並んでいても、なかなか手に取る機会がなかったり、使い方が分かりにくい商品ってありますよね。そういったものを実際に食べたり、体験したりできる場を併せもっていることがuminobaの特徴であり、『オホーツクの価値』と『生活』をつなぐ『ショーケース』としての役割だと考えています」。
店舗を運営するBlueM株式会社の中村さんは熱を込めて話します。
「美味しい!」、「使ってみたい!」と思ったら、購入してお家で楽しんだり、贈り物に出来たりする。この仕組みこそ「オホーツクの価値」と「生活」がつながる瞬間なのです。
Instagram
▲テイクアウトメニューはインスタグラムのストーリーズ「MENU」からご覧いただけます。
網走にはワクワクする場所がない!?
中村さんは1985年に東京都で生まれ、大学進学を機に網走市で暮らし始めました。大学在学時から飲食事業を開始し、なんと経営者歴は15年。現在は飲食の他にも様々な事業を行っています。
中村さんは、都内のサッカー強豪高校にスポーツ推薦で入学し、一時はプロサッカー選手を目指しましたが「スポーツだけの人生ではない生き方をしてみたい」という理由から、大学進学を決意。東京農業大学世田谷キャンパスへの進学を志したそうです。
しかし、結果、合格したのは滑り止めで受験した東京農業大学オホーツクキャンパスでした。キャンパスがある網走市は、お母さんの出身地のため、知らない場所ではありません。でも、心に引っかかることがあったそうです。
「大学生時代を過ごす場所として網走は、キラキラやワクワクもないし、正直、退屈な場所だと感じました。『現役合格した大学に行くこと』という両親との約束もあり、行かざるを得なかったというのが本音だったんです」。
好奇心とエネルギーにあふれる18歳の青年は、複雑な思いを胸に抱き、この地にやってきました。
トレンドにも流行りにもすぐに乗れない退屈な学生生活。周囲の友人や先輩も口を揃えて「網走は面白くない」と言う毎日。
その状況に中村さんの中である思いが大きくなっていきました。
「……『面白くない』と言うのは簡単なんです。だったら面白くするために、行動して状況を変えようとしている人がいるかというと、いなくて。『この街が退屈だ』というエネルギーが大きかった自分だからこそ、人一倍歯がゆさを感じたんだと思います」。
中村さんは、就職活動のタイミングである決意をします。
「面白い場所がないなら、作ろう」。
大学とも相談し、大学4年生の時に「cafe BlueM」を立ち上げました。
「オホーツクの価値を可視化する場として、その時の自分に出来たことが飲食店だったんです。地場の食材を活かした料理はもちろん、カフェやレストラン、夜にはバーとしても使える多目的スペースにしました。クラブイベントやライブイベントなど行い、人が集うコミュニティスペースにすることで、何か事が起きてくるのではと考えました」
土地の価値、そして伸びしろ
中村さんが土地の価値の可視化にこだわるようになったきっかけの1つが、授業でオホーツクの食糧生産事情についての課題を知ったことでした。
「実はオホーツク管内は、十勝管内に次ぐ北海道2位の大農業地帯です。しかも、生産量にそこまで大きな差はないのですが、GDPベースでいうと2〜2.5倍くらい十勝の方が上なんです。両地域で同じように価値あるものを生産しているのに売り方を考えていないことでこんなにも大きな違いが出るなんて、驚愕しました」。
十勝では昔からマーケティングを意識してものづくりをしてきた一方で、オホーツクでは食料や原料を作ることに特化してきた。
中村さんは、こういった背景にショックを受けつつも、「オホーツクにはこれからの伸びしろがあるんだ」と前向きに考えるようになります。
「この地域で生み出される農産物には、畑作産物、酪農製品はもちろん、海産物や林業製品など、十勝にはない多様性をもつという特徴があります。しかも、それぞれの品質が高いんです。
例えば、林業製品でいうと、東京オリンピック2020のメダルケースを作った株式会社山上木工は津別町にあります。
さらに、網走市は道内で一位の二条大麦の生産地ですが、その全量がサッポロビール株式会社との協同契約栽培で、ビール用に使用されています。カルビーポテト株式会社の契約農場としてポテトチップス用のじゃがいもを生産している農場もオホーツク管内に多く存在しています」
オホーツクの素材を使って世界に通用するものづくりをする会社があることや、日本のトップメーカーが地域の素材を原料に商品を生み出してきた歴史こそ、この土地の価値を裏付けていると中村さんは確信しています。
一方で、
「生産者の方や、地域の方とお話をしてみると、このことが当たり前すぎるのか、伝わっていないようにも感じるんです。この豊かさにおんぶに抱っこではいけない、豊かさの先にあるオホーツクの未来を考える必要があるんです。
私たちの役割として、他の企業とは異なるやり方で、土地の価値を可視化して、地域の方たちや観光客の皆さんに伝えていこうと考えています」
中村さんは未来を見つめます。
立ち止まった先に見えた次の挑戦
cafe BlueMの後も、中村さんは、焼き鳥屋さんや、レストランなど様々な飲食店経営に着手しましたが、そのどれもがオホーツクの価値を伝える場であることを重視したものでした。
しかし、順調に事業が拡大する中、新型コロナウイルス感染症の蔓延で事態は一変します。
「飲食店が休業状態になってしまって、立ち止まらざるをえなくなりました。でも、よく調べると、観光や、夜の飲食店などの業態は難しくなりましたが、ランチメインのレストランは以前より売上が上がってきていたんです。
日本の人口がいきなり大きく減ったわけではない。食べるシーンやお金をかける場所が変わったんだと思うようになりました」。
飲食にこだわらない形で、次の挑戦をしてみたいという気持ちが中村さんを突き動かしていきました。
こうして、2021年5月に開店したのがuminobaです。
店名には2つの意味を込めました。
1つは「海の場」。目の前にあるオホーツク海がその名付け親です。
もう1つは「生みの場」。ここから、新しいオホーツクの価値や関わりを生み出していきたいという決意を表しています。
uminobaで行う新しい挑戦として選んだのが、オホーツク産品の小売業でした。ここにも、飲食事業を行う中で培ってきた、多くの生産者やメーカーの方達との関係性を活かすことができました。
「さらに、農産品の六次産業化や既存の商品のリブランディングも行っています。実は、付き合いのあった長芋農家さんが引退することになり『加工場を引き継いでもらえないか』と相談を受けたことがきっかけです。栽培した長芋を原料にキムチを作っていた農家さんだったんです。味は間違いなかったので、製品のリブランディングを行い『長芋ゴロゴロキムチ』を自社製品として製造販売するようになりました」
フードディレクターの存在がuminobaを加速する
開店から1年が経った今、中村さんは何を思うのでしょうか。
「お客様の様々な反応を見ていると、やっぱりuminobaの存在価値はあるんだなと感じます。昨年は立ち上げの1年だったので、土台を作ることを意識して堅実に進めてきたのですが、今後は加速・挑戦をしていきたいと感じます。
特に2〜3年後を見据えると、フード開発を通してオホーツクの価値を表現できる方=フードディレクターの存在が必要不可欠です」
中村さんがこのような考えをもったのには、ある理由がありました。それは、魅力的な店舗を継続的に経営していくには、お店の鮮度や季節感を保つことが重要だからです。
「ある程度の商品数を並べておくことがお客様の購買意欲につながるというのが小売の鉄則です。ただ、当たり前のことですが、商品には賞味期限や消費期限があるんですよね。売れ残りが出ることは仕方のないことなんですが、それを防ぐために、常温で長期間販売できるものや、期限がない商品ばかりを販売してしまうと、いつ行ってもお店に同じような商品しかなくなってしまい、店内に鮮度や季節感を感じなくなってくるんです。uminobaでは、その課題を解決する方法としても、テイクアウトメニューの素材として、積極的に店舗の商品を使用することを考えています」
お店の鮮度や季節感を作り出し、パンやスイーツなどのフード開発を通して、商品との多様な関わり方を提案する。これが、フードディレクターの役割です。
「オホーツクの価値と生活をつなぐというミッションを追求すること、そして、積極的に商品を仕入れ販売するという良い循環を生みだすためにも重要な仕事です。
このコンセプトを軸にした上で、表現手法は各スタッフに裁量を任せています。自由と変化に溢れた会社です。
異業種からの転職も、高校・大学の新卒の方も、子育てがひと段落したママさんも、セカンドキャリアをお考えのシニア世代の方も。店舗、イベント、製品開発、原料調達など、活躍できるフィールドはたくさんあります。あなたの感性や経験を、オホーツクの価値づくりに活かしてみませんか?」
と笑顔の中村さん。
今、オホーツクに価値を感じている方はもちろん、それがなんだろうと思っている方も。
それぞれの目線の先に、様々なオホーツクの価値の形があるのだと思います。
ぜひuminobaで、一緒にその価値を可視化して、届けていきませんか?
応募をお待ちしています!
<募集内容>
役職:フードディレクター
スキル:パン職人またはパティシエール
募集人数:1〜2名
仕事内容:uminobaで販売する商品を活用したテイクアウトフードやドリンクの開発、現行メニュー見直し、イベントの企画提案、実施、調理、接客等。
※飲食業界(規模、業態は不問)での実務経験が必須となります。
<募集形式>
正社員
※募集内容詳細はこちらから
後編のご案内
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百目木(どめき)幸枝
青森県八戸市出身。秋田県立大学、北海道大学院修了後、東京の研究開発ベンチャーで8年働き、2019年夫婦で退社&息子出産&北海道網走郡美幌町で農業研修開始。2022年より「さいこうファーム」スタート。その他、夫婦で編集執筆ユニット「再考編集室」を結成し、地域や人の豊かさを日々発信しています。
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