オホーツクエリア
接客

【前編】斜里町ウトロ「訪れてよし、働いてよしの北のネイチャーリゾート」を目指す北こぶしリゾートでは一緒に働く仲間を募集しています

ただいま募集期間外

株式会社知床グランドホテル

北海道斜里郡斜里町ウトロ東172番地

こんにちは。ふるさと道東・斜里町にてライター活動をしている、中山よしこと申します。

道東のはたらく情報を発信する「#道東ではたらく」。第11弾は、地元、斜里町ウトロのホテルグループ「北こぶしリゾート」が舞台です。
同グループは、北海道唯一の世界自然遺産である知床の中核地で「北こぶし知床Hotel&Resort」「KIKI知床Natural Resort」「夕陽のあたる家 ONSEN HOSTEL」の三つのホテルを展開しています。

ウトロ港から望む「北こぶしHotel&Resort」

「地の果て」「野生動植物の楽園」と言われる知床ですが、自然とともにたくましく生きる人々も大きな魅力!

創業61年目を迎え「北のネイチャーリゾート」として、知床の自然を守り、伝える活動にも力を入れる同社では、理念に共感し、ともに働くホテルマンを募集しています。
前編である今回は、桑島大介社長にお話を伺いました。

<こんな方におすすめ!>
・自然の豊かさを感じながら暮らしたい
・おもてなしに興味がある
・個性が尊重される職場がいい
・自然保護などSDGs的な活動に興味がある

時代とともに探る知床ならではの観光

─── まず、最近の知床の観光スタイルについてお聞きします。昔は、例えば団体でバスに乗って阿寒経由で知床に泊まって、層雲峡に行って…と、駆け足で道東を巡るパターンが多かったように思いますが、今はどうなのでしょう?

個人のお客様が連泊して知床をゆっくり満喫いただく流れが増えています。うちの場合は連泊のお客様が4割以上。
「北こぶし知床」と「KIKI知床」に日替わりで宿泊してもらうなど、グループホテルのメリットを生かしたプランも組んでいます。

グループホテルのひとつ「KIKI知床Natural Resort」
(北こぶしリゾート提供)

─── 確かに、1泊2日では楽しみきれない魅力が知床にはありますね。

海外旅行の感覚に近いのかもしれません。さいはてである魅力に惹かれて、お客様もスタッフも来てくれる。
なんといっても、冬のオホーツク海に流氷がびっしり到来する様子は圧巻です。流氷が高密度で漂着し、「流氷ウォーク」ができるガイドツアーがあるのも知床だけ。

▲知床の冬の定番観光、流氷ウォーク(知床斜里町観光協会提供)

夏は観光船で知床半島の先端まで周遊でき、高確率でヒグマを見ることができます。
ウトロを拠点にしながら隣町の羅臼まで足を伸ばして、シャチやクジラなど海のネイチャーウォッチングもおすすめです。

羅臼の観光船でのネイチャーウォッチング(小林誠撮影)

ウトロにも羅臼にもそれぞれに良さがあり、連泊する魅力があるという意味では、「北のネイチャーリゾート」というコンセプトが少しずつ浸透してきていると感じています。
知床は秘境のイメージが強いでしょうが、今はアクティビティも増えて、まさに「体で感じる世界遺産」です。

─── そういった観光のあり方に合わせて、ホテルのスタイルの変化はありましたか。

ここ数年、素泊まり一泊朝食のみのプランにも力を入れています。ホテル内だけでお客様を囲い込まないで、夜は近くの飲食店と連携すれば、知床、ウトロ地域そのもののファンになってもらえる。

サウナー専門ブランド「TTNE」が監修しリニューアルしたサウナ
(北こぶしリゾート提供)

「北こぶし知床」に関しては、老朽化したサウナを、自然遺産の大パノラマや、冬には流氷を眺められる「流氷サウナ」にリニューアルしたのが最近のトピックです。
HARVIA社のストーブや、知床の環境音を使ったBGMなど、僻地でも常に面白いこと、新しいことに目を向けていたいという、北こぶしリゾートのこだわりが詰まっています。

さいはての地でも暮らしやすく、働きやすく

─── いわば、さいはての地という環境にも関わらず、単身者のみならず家族ぐるみで住むスタッフも増えているとか。

そうですね。グループ総勢約120人のスタッフが在籍していますが、寮は単身者と家族持ちのスタッフ向け、どちらもウトロ内に備えています。やはり僻地といえる環境ですので、住居の提供は第一です。

20〜30代が多い北こぶしリゾートのスタッフ

─── 働き方に関しても、改革に取り組まれているそうですね。

ホテル業界では慣例になっている「中抜けシフト」(仕事時間の合間に数時間の休憩がある、ホテル・旅館特有のシフト体制。始業から終業までの拘束時間が長い)を無くしていきたいです。
快適に働いてもらえるために、早番と遅番、きっちり分けた働き方改革に業界全体で取り組んでいます。
社内に「マルチタスク部」を設けて、接客や清掃を一括して行い、各スタッフがオールマイティーに業務をこなすことで、従来の縦割り型より柔軟なシフトの実現を目指しています。
そもそも休暇が少ない業界なのですが、当グループでは115日と、平均より10日間多めに設けています。給与の水準も引き上げました。

KIKI知床Natural Resort(北こぶしリゾート提供)

グループホテル「KIKI知床」は冬季休館がありますので、スタッフの短期留学にも対応しています。語学の習得は会社にとってもプラスです。
また、冬季休館中の「KIKI知床」のスタッフを「北こぶし知床」に派遣することで、北こぶしの社員が休暇を取得できますし、グループである強みをここでも活かしています。

<社員支援の取り組みの一部>
表彰制度
:3か月に一度、笑顔賞・貢献賞等を社内アンケート等をもとに決定し、全体朝礼の場で発表および表彰。
奨学金返済支援:学生時代に公的機関等から奨学金を受給している新入社員に対し、返済額の一部を支援。
留学支援:スタッフのスキルアップを目的とした海外短期留学の実績があります(自己負担)。留学だけでなく、免許や資格の習得には休日取得の応援、会社指定の必要免許・資格等の取得に関しては、必要経費を基本的に会社負担で応援。

さいはての老舗ホテルとして

─── ここで少し、北こぶしリゾートの歴史をお聞かせいただけますか。もともと創業者は、開拓農家だったそうですね。

はい。曾祖父が四国の香川県からウトロに開拓農家として入植したのが100年ほど前です。
自然が厳しく農業だけでは暮らしていくのが難しくなって、昭和35年に祖父が「桑島旅館」として開業したのが始まりなんです。

─── 創業50周年当時の記念誌を読みましたが「隣家まで原生林を踏み分けて行った」とか「石油を買えず、海岸に打ち上げられたトッカリ(アザラシ)の脂をしぼって電灯を灯した」「バッタの大群に作物を食い尽くされた」…など、入植時の苦労話が印象的でした。

小説家・戸川幸夫氏が撮影した昭和37年のウトロ

昭和33年に、それまで陸の孤島だったウトロと斜里市街地を結ぶ道路が開通したんです。
若い旅行者がどっと来るようになって、将来の発展を夢見た祖父は農業から旅館業への転身を決めたわけです。

昭和37年頃の桑島旅館。後列右端が創業者である祖父、宣一さん
(北こぶしリゾート提供)

ホテルの規模は大きくなっても「企業」というより、アットホームな「家業」という感じ。
亡くなった祖父のこともベテランスタッフは「とうさん」と呼んでいましたね。僕が小学生の頃から30年以上働いているスタッフもいます。

どんな人が「知床向き」?

─── 知床は「はまる人は、とことんはまる場所」という印象ですが、どんな人材が「知床向き」だと考えていますか?

やっぱり自然が好きな人にとっては魅力的な土地なので、環境保護に関心が高い人や、地域との交流も楽しめる人が向いているのではと思います。
ネイチャーカメラマン志望のスタッフもいて、休日は知床の風景や動植物の撮影に励んで、勤務日はホテルのトークイベントで写真を披露したりと、個性を発揮してくれていますね。

スタッフが知床の自然や動植物などを解説する「知床なるほどトーク」
※現在は自粛中(北こぶしリゾート提供)

最近は、札幌近郊から就職してくれる人も多いです。住居、食事、温泉と、三拍子揃っている環境は学生さん含め若い人には魅力的だと思います。
リゾートバイトの人もいれば、根っから知床が好きで定住志望の人もいる幅広さが特徴です。

─── 知床、特にウトロは宿泊施設やネイチャーガイドなど観光関連企業が多い地域ゆえに「よそもの」が暮らしやすい環境であると言えますね。

徐々に雇用条件を整えたことで、若いスタッフが増えてきました。今一番多いのは20代ですね。

いろんな人がいますよ。変わり種ではリゾートバイトで入って、居酒屋さんで地元の漁師さんと仲良くなって、そのまま漁師になっちゃったスタッフもいます。
ここを振り出しに違う地域でも働いて、スキルを身につけて戻ってきてくれる人も多いです。

─── 人生として素敵ですね。人生の転機になるホテル。

先ほどお話したように「企業ではあるけれど家業」という雰囲気なんです。せっかくだからホテルのみならず知床自体を好きになってもらって、最終的に「知床いいとこだなあ」と思ってもらえたら何よりです。

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【後編】斜里町ウトロ「訪れてよし、働いてよしの北のネイチャーリゾート」を目指す北こぶしリゾートでは一緒に働く仲間を募集しています【#道東ではたらく】はこちらから↓

▼募集職種
接客スタッフ(ホテル接客業務全般)

▼業務内容
◎フロントサービス:フロントレセプション、客室案内、車両誘導、各種観光案内・手配、売店の運営、ラウンジの運営、等。
◎レストランサービス:ブッフェ、コース料理レストラン、宴会場等にて、お料理・ドリンクの提供サービス業務全般。
※入社当初は主に接客部門にてホテルの基本を学びながらご活躍頂きます。
一定の経験後には本人希望や勤務考課により他セクションへ部署異動もあります(調理部門は調理学校出身の方)。
◎調理業務:和・洋・中の調理、製菓、食材管理。
◎予約センター:電話対応、旅行会社対応、インターネット予約サイト管理等。
◎管理業務:施設管理・用度・経理・人事等。

▼必要書類
履歴書(志望動機・高校以上の経歴を記載、顔写真付き)

▼採用情報
◎勤務地:北海道斜里郡斜里町ウトロ
◎勤務時間:変形労働時間制。遅出・早出を含むシフト制。
 ・中抜けあり勤務シフトの一例:出勤7:00、休憩10:00~14:00、退勤20:00
 ・中抜けなし勤務シフトの一例:出勤9:00、退勤18:00
 ※いずれも勤務中休憩1時間あり
◎休日・休暇 年間公休数:115日
◎有給休暇:入社半年後10日・最高6年6カ月後20日付与
◎その他:家族・親族等の冠婚葬祭時、出産、育児等社内規定により休暇取得可
◎給与:月給18万円~
◎待遇:
《社会保険》健康保険・年金保険・雇用保険・労災保険加入
《福利厚生》定例表彰制度、産休・育休あり、社員寮あり(月額家賃11,000円~、水道光熱費は自己負担)、従業員食堂無料提供、退職金あり(入社4年以上)、社員旅行、グループ施設の優待利用

▼採用フロー
書類選考(応募から1週間以内) 〉 面談(リアルもしくはオンライン) 〉 内定

取材・文

中山よしこ(シリエトクノート)

北海道斜里町在住。札幌市からUターン後、地方紙記者を経て2011年に斜里町内の仲間と「シリエトクノート」を創刊(休刊中)。以後、DTPオペレーターとライターの傍ら、知床に来訪するアーティストとのアート企画「アーティスト・イン・シリエトク」や、移動古書店「流氷文庫」など、節操なく活動中。

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