オホーツクエリア
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豊かな街のおもしろさを、自分の視点から発信する。網走市地域おこし協力隊を募集します

ただいま募集期間外

網走市

北海道網走市南6条東4丁目

※こちらの募集は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました!

道東のはたらく情報を発信する「#道東ではたらく 」。第3弾は、北海道網走市で街の観光や発信に携わる地域おこし協力隊を募集します。

こんにちは! ドット道東です。

2020年にアンオフィシャルガイドブック『.doto』を発行し、道東の内側だけでなく外側の方とも関わる機会が増えてきた最近、嬉しいことにこう言っていただくことがあります。

「道東に住んでみたい」「いつか北海道に戻りたい」

そんなみなさんに道東に拠点を移すハードルを聞いてみると、まず挙がってくるのが仕事のこと。

他にも、今までの人間関係から離れて道東になじめるのか不安があったり、道東に飛び込む覚悟が自分にあるのか自信がなくなったり。

「今の自分じゃ、道東に関われないのかな……」

そう思っているあなたにご紹介したいのが、道東のなかでも観光で知られる街・網走市です。

ここなら、肩の力を抜いて新しい1歩を踏み出せるかもしれない──。

そんな予感をくれた、穏やかな街の温度をお届けします。道東に関わりたい方、ぜひチェックしてみてくださいね。

「商店街、さみしくなったね」と言われ続けて

ぽこっと浮かぶ帽子岩と、グレーがかった深い青のオホーツク海。この海が、古くから豊かさをもたらしてきました。

ここは、北海道網走市。オホーツク海に面した街で、3万4千人ほどが暮らしています。

街の中心には、碁盤の目状に商店街が広がります。この商店街で1918年から続いてきた「フジヤ書店」の田中雄一さんが、網走を案内してくれました。

田中さん 網走は観光で知られていますが、住むにもすごく良い街なんですよ。たとえば、山・川・湖・海と、自然のバリエーションに富んでいる点。一度来ると、網走を気に入ってくれる人が多いんです。

住む上でチェックしておきたいもうひとつの特徴が、気候の穏やかさ。網走は道東のなかでも寒暖差が小さく、1年を通じて晴天が多いため、比較的温暖で過ごしやすいのです。

次々と網走の魅力を教えてくれる田中さんは、網走生まれ、網走育ち。大学を卒業した後、網走に戻ってフジヤ書店の4代目を継ぎました。

書店の仕事だけでなく、商店街を盛り上げる活動にも力を入れてきた田中さん。商店街で少しずつお店が減り始めていることを、誰よりも感じています。

田中さん このエリアが網走の中心街だったけれど、今は郊外にショッピングモールができて、二極化が進んでいます。僕が小さい頃は商店街に100軒ほどお店がありましたが、今では半分程度になりました。お店を継ぐ人が、なかなかいないんですよね。

少しずつお店が減っていく商店街で、田中さんは商店街振興組合の理事長を続けてきました。

田中さん いちばん悲しいのは、かつて網走に住んでいた人に『商店街、さみしくなったね』と言われること。僕はずっと、地元でそう言われ続けてきましたから。

▲ 網走市の商店街フジヤ書店のある通り「アプトフォー」

街での暮らしを体験できる、新しい観光を届けたい

少しずつ空き店舗が増えながらも、網走の商店街では定期的にお祭りや朝市などのイベントが開催されています。

どうすれば、次の世代に街を受け継ぐことができるのか。

そんな未来を見つめる視点が、この地に根づいているからなのかもしれません。

▲ 商店街の空き地「らるあーと」でおこなわれているフードトラックとフリーマーケットのイベント「NORTH TRUNK PLAZA

これまで商店街で活動してきた振興組合に加えて、スピードと実行性のさらなる向上を目指し、2017年には株式会社まちなか網走が設立されました。田中さんも中心メンバーとして関わり、イベントの主催や不動産管理などを手がけています。

田中さん これまでは、地元のために商店街を運営してきました。でもそれだけでは運営できなくなってきた今、観光客にも商店街を楽しんでもらえたらいいなと思っています。

そこで田中さんたちが考えたのは、「商店街に泊まってもらう」というプラン。

田中さん 網走駅の近くに大きいホテルがあるんですけど、商店街から少し離れています。商店街に泊まったら、まちなかを拠点にして網走をもっと楽しんでもらえるんじゃないかな。

▲ 商店の1階では店舗が営業中でも、2階より上は空いている

このプランを実現するために考えたのが、店舗の2階から上の部分を活用する案です。

かつては1階を商店に、2階から上を住居にしている家が多かったといいます。しかし商店街に住む人が以前より少なくなっているため、今では2階が空いた商店が増えているのです。

▲ 住宅として使われていた部屋を、観光客が泊まれるように改装した

こうして2020年12月、「まちなかゲストハウス」のプロジェクトがスタートしました。

1号店の名前は、「網走まちなかゲストハウス ワタラ」。

名前の由来は、網走のシンボル・帽子岩です。帽子岩はかつて「カムイ・ワタラ」(神の岩)と呼ばれ、漁に出るときに祈りを捧げる場所だったと言われています。

▲ ゲストハウスから見える、帽子岩

ゲストハウスのコンセプトは、「街で泊まる、街で遊ぶ」。網走での暮らしに溶け込んで街を楽しむ拠点になっていくことでしょう。

でもなんで、田中さんはまちなかに泊まることをおすすめするんでしょうか?

田中さん 網走の街は、遊びに来てくれた人にもっと楽しんでもらえる可能性を持っているからです。網走の魅力をお伝えするために、今後は宿泊者向けのツアーも検討しています。
あとはやっぱり『食』ですね。特に海産物が人気なんですよ。流氷がプランクトンを運んでくるので、網走は海の恵みがすごく豊富です。海鮮や刺身、冬ならカニも食べられます。まちなかに泊まっていれば、居酒屋からゲストハウスに歩いて帰れるので、夜も網走を満喫できますよ。

▲ 取材日に連れていっていただいた「SUSHI BAR THE ∃ND-縁戸-

この日は実際に、網走の夜を田中さんに案内していただけることに。

とびきり新鮮で大ぶりのネタを楽しめるお寿司、口のなかでうまみが広がる和牛、流氷をイメージする美しいドリンク……! 田中さんおすすめのお店で、網走の豊かさを満喫しました。

自分の視点で、この街をおもしろがる仕事

商店街で自ら先頭に立って動いてきた田中さんは、若い世代の挑戦をどんどん後押ししていきたいと考えています。

田中さん 嬉しいことに、今の網走にはまちづくりに情熱を持っている若い人たちがたくさんいます。網走に帰ってきた30代がイベントを企画したり、網走にキャンパスがある東京農業大学の学生がジビエラーメンをつくったり。そういう新しい動きを、私もぜひ応援したいですね。

その理由を聞くと、網走の街で受け継がれてきた文化が浮かび上がりました。

田中さん 前の商店街理事長も、私も、若いころにいろいろと無茶なイベントをやっては、商店街の先輩たちに助けてもらってきました。若手を常にあたたかく見守ってくれて、足を引っ張られるようなことは決してなかったんですよ。
そういう風土が受け継がれているから、網走は今でもイベントが盛んなんだと思います。先輩にしてきてもらったように、次は僕たちが若い世代を応援したいですね。

まちなかゲストハウスも、若い世代が挑戦する足がかりのひとつ。田中さんは、ゲストハウスの運営を担いながら街の発信をする仲間を募集しています。

田中さん 店舗の2階が空いているところは、他にもたくさんあります。ゲストハウスを運営しながら、空きスペースを泊まれる場所に変えていく仲間を募集したいんです。

募集形態は、地域おこし協力隊。ということで網走市役所・観光商工部の田口徹さんに、今回の募集について聞いてみました。

田口さん 網走は観光地として知名度が高いですし、外から訪れる方におすすめできる素材がたくさんあります。今回募集する協力隊の方には、街について発信したり観光客と交流したりしながら、網走のおもしろさを見つけてくれたら嬉しいですね。

網走は農業と漁業に加えて、観光業が重要な産業のひとつ。年間で160万人以上(2017年度)の観光客が道内外から訪れます。

たとえば網走といえば、毎年冬にオホーツク海から押し寄せる流氷。流氷観光砕氷船「おーろら」や「オホーツク流氷館」も人気です。

他にも観光スポットが多く、全国的に知られる「網走監獄」、北方民族について展示している「北海道立北方民族博物館」、オホーツク人が残した「モヨロ貝塚」など、1日では周りきれないほど。網走のポテンシャルの高さがうかがえます。

そんな網走には、かつては大型バスで訪れるツアーのお客さんが多かったのだそう。しかし個人の旅行が増えるにつれて観光客数が減少し、ホテルも少なくなっています。

この状況を、田口さんは「逆に言えば、大型バスに通過されていた網走の商店街を観光客に楽しんでもらうチャンスだと思う」と話してくれました。

田口さん だからこそ協力隊として入っていただく方には、自分の感覚を大切にしてほしいなと思います。お客さんに網走を楽しんでもらういちばんのヒントは、その方が持っている着眼点ですから。

住み始めたばかりの街の魅力を発信する、と考えると少し荷が重いけれど、「自分が興味を持ったものに注力していい」と聞いて、肩の力が抜けるような気がしました。

自分の視点で、街の宝探しをする仕事。このフィールドで何ができるだろう、と想像が広がります。

先人たちに愛されてきた豊かな土地で、新たな一歩を踏み出す

▲ 網走の中心市街地の近くにある網走湖

網走で人類が生活を始めたのは、約2万年前のこと。さらに5〜9世紀には、このエリアにしか存在しない「オホーツク文化」が花開いていました。はるか昔から人を引き寄せていた穏やかな土地には、豊かさが今に受け継がれてきています。

この土地と先輩たちが味方になってくれる街なら、等身大でいられるかもしれない──。

「道東で、何かを成し遂げなければ」と握りしめていたこぶしをほどき、はじめの1歩をかろやかに踏み出すために。ぜひ、網走に足を運んでみてください。

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ここまで「網走ではたらく」選択肢についてご紹介してきましたが、記事で紹介できるのはほんの一部。今回の募集で気になった方はリクナビ募集ページから連絡してみることをおすすめします。

<こんなあなたにおすすめです
・好奇心が旺盛
・人と人とのつながりを大切にしたい
・北海道や道東エリアで働く、暮らすことに興味がある
・地方での暮らしや観光に興味がある
・前向きにチャレンジできる

<勤務条件
・採用元:網走市
・募集職種:地域おこし協力隊(体験型観光業務/まちづくり業務)
・雇用形態:網走市の会計年度任用職員として任用
・給与:月給14万5,741円~18万2,612円
・待遇・福利厚生:社会保険完備(健康保険、雇用保険、労災保険)、年金(厚生年金)など
・仕事内容:体験型観光業務/まちづくり業務
・勤務地:北海道網走市(体験型観光拠点施設「コネクトリップ」/まちづくり会社「まちなか交流プラザ」)
・勤務時間:8:30~17:00(勤務先により異なる)
・休日休暇: 週休2日制、有給休暇10〜20日、年末年始休暇
・応募資格:要普通免許
・採用予定人数:1名

詳細の募集要項と応募については、以下の募集ページをご覧ください。

<令和2年度 網走市地域おこし協力隊募集要項>

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今回の紹介は、ドット道東が道東の事業者さんをサポートするべく始めた取り組み「 #道東ではたらく 」の一環です。

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取材・文 菊池百合子