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【釧路でインターンシップ!】道東の台所を支える丸中釧路中央青果、そのお仕事とインターンシップの様子をご紹介!【#道東天職活動】

ただいま募集期間外

まだ知らない仕事の世界や裏側を体験できるインターンプログラム「#道東天職活動」
釧路や道東にゆかりがなくても、この夏、3日間のインターンシップを通して新たな自分自身を発見してみませんか?

<こんな人におすすめ>
「地方で働くの、アリかも……?」
「釧路で働く選択肢も考えたい!」
「就活、何から始めたらいいかよくわからない」
「就職活動の情報交換がしたい」
「ローカル企業の雰囲気を感じてみたい」
「広報やPRに興味あり!」

今回ご紹介する丸中釧路中央青果株式会社は、釧路・根室地域の食料品店などで私たちが普段目にする野菜や果物、花の流通を支えている会社です。

その役割は、生産者や農協などから野菜・果物・花を集め、仲卸業者などに卸売をすること。その先にはスーパーなどの小売店、そして消費者がいます。
つまり、私たちが普段食べている野菜や果物を、流通に乗せる最初のアクション。それを担うお仕事なのです。

流通の仕組みと主要取引先を図式化したもの。丸中釧路中央青果株式会社は、卸売業者にあたります(丸中釧路中央青果株式会社企業案内より)

そんな丸中釧路中央青果の魅力をPRしたり、課題を解決するアイデアをインターンシップで考えてみませんか?
まずは、丸中釧路中央青果のお仕事と働く人についてご紹介いたします。

道東の台所を豊かにする貨物線の存在

「釧路市公設地方卸売市場」の内部。お伺いした朝7時の時点ですでに大方の作業は終了していて、搬出を待つ野菜が積まれていました。
生江さんの帽子に光る「せり人」の称号がかっこいい!

「僕らの商圏は釧路から中標津、根室辺りまで。だいたい30万人弱の人口に青果と花きを供給しています」
そう話すのは、この市場の2階に事務所を構える丸中釧路中央青果株式会社の常務取締役・生江賢彦さん。

―本州産の野菜はどこから、どうやって運ばれてくるのでしょうか?

生江 うちで1番お付き合いがあるのは北関東です。
じつは釧路港と茨城県の日立港(茨城港)には、1993年から『ほくれん丸』という船が運航しているんです。この辺は酪農地帯ですから生乳を本州へ運ぶためです。
こちらからは生乳を積んで行き、帰りにはあちらから野菜を積んでくる。ほくれん丸なら最短20時間で運べますから、荷を積んだら夜出港して、次の日の夕方には釧路に到着します。
だから品物の鮮度も保てますし、販売の予定も立てやすいんですよね。

茨城県産、千葉県産などほくれん丸が運んできたスイカ。北海道の収穫期より前に本州の味で夏を先取りできますね!

相場の予想を楽しみ、大切な役割を果たす

場所を変え、建物の2階にある事務所へ。

「花き部」「果実部」「野菜部」という部署名がなんだか素敵です。

同じく常務取締役の斉藤和芳さんにもご参加いただき、お仕事の魅力などについてお話を伺います。

学生向けの説明会なども行なっている斉藤さんも、以前は営業職でさまざまな青果を担当してきました。
同期の生江さん(左)と斉藤さん(右)。お二人の話しぶりから地域に青果を供給することへの情熱と誇りを感じます。

―このお仕事のおもしろさはどんなところにありますか?

生江 僕らの業界は天候に左右される。たとえば漁業なら「シケのために入荷がありません」って言えるんだけど、それが通用しないのが青果です。
僕らは産地の情報、野菜や果物の生育日数、気温、雨、雪、いろいろな専門知識を積み重ねていき、その情報を自分のなかで分析して、来週の相場を予想します。それを仲卸さんにお伝えする。
想定通りになってうまく売れた時の達成感はすごいですよ。

斉藤 営業時代はずっと野菜部だったんですが、ある時、「大葉」の大産地の愛知県が寒波で出荷できず、市場で品薄になったんです。
安い時は1箱100円、200円で取引されることもあるのに、年末の競りで3万円くらいに跳ね上がった。大葉やパセリって、値段じゃなく、「ないと困る」ものなんですよ。

当時は、なんとかかき集めた大葉が寒さで痛まないよう毛布にくるんで卸先に持ち込んだそうです

生江 生産者さんや市場が減ってきたなかで、僕らは利益を追求するだけじゃなく、道東の台所として30万の人口に向けてしっかり商品を供給し続けないといけない。そういう使命感を持ちながら仕事をしています。

入荷数と卸価格を決定していくお仕事は難しそうですが、信用を築き上げていく道程はやりがいがあります。

早起きして、昼には退社。余暇を充実させ、また仕事に励める!

2023年時点で、入社から数年以内の若手にもお話をうかがいました。岩瀬谷拓哉さん、小野恭佑さん、前島健太さんの3人です。全員、釧路市のご出身!

左から岩瀬谷拓哉さん、小野恭佑さん、前島健太さん

―入社されたきっかけは?

岩瀬谷 大阪の大学を出て向こうで働いたんですが、もともとアウトドアや釣りが好きで、自然が豊かな釧路に一度帰ってきたいなと思っていました。
じつは隣にある魚市場で兄弟が働いていて、この仕事を知ったんです。

小野 僕は釧路の高校を出てから就職先を探したんですが、やっぱり隣の魚市場に知り合いがいたので……(笑)。

―魚市場の紹介力、すごいですね!(笑)前島さんは?

前島 僕は釧路公立大学の学内説明会でこの会社を知って興味を持ちました。自分は早起きが苦ではないので、合っているかなと思ったんです。
出勤は4時30分で、夏は昼の12時、冬は12時半で退勤します。だから仕事のあとにゴルフの練習をしたり、釣りに行ったり、冬はスキーに行ったりできるんですよね。

岩瀬谷 僕も仕事後におばあちゃんの家に行ったり、幼い親戚と遊んだり、釣りをしたり。

小野 自分がいた少年野球チームの手伝いができるのも、この仕事だからです。練習が始まる15時半まで時間があるので、それまで釣りに行ったりもします。

―え?みなさん釣りをされるのはたまたまですか?

小野 そうですね。学生のころも友達と朝5時くらいから釣りに行っていました。

―もしかして、釣りをする人にはこのお仕事の早起きは苦じゃないのかも!
むしろ、午後を自由に使えるのは有意義な感じがします。

岩瀬谷 市場は休場日が決まっているので予定が立てやすいんですよね。土曜も昼で終わるので、土曜の午後から休場日の日曜は休みです。水曜日もほぼ休みですね。

―お仕事はどうですか?

前島 僕はパイナップルなどの輸入果実の担当ですが、気候や情勢も考えなければならないので、思った以上に大変です。少しずつ経験を積み重ねて、価格決定もうまくなりたいと思います。

小野 父と同じ世代の先輩方が多いので、息子みたいに可愛がっていただいています。人と話すこと、体を動かすことが好きな人だったら、楽しい仕事なんじゃないかなと思いますね。

―みなさん、仕事もプライベートも充実されているようですね!ありがとうございました!

——

さて、ここからは、2023年9月に開催したインターンシップの様子をお伝えします。
丸中釧路中央青果株式会社に来てくれたのはこの6名。

一列目、二列目が今回の参加学生です

釧路公立大学3年
武内咲樹(たけうち・さき)さん(二列目中央・愛知県出身)
中村麻結(なかむら・まゆ)さん(一列目右・釧路市出身)
福元空(ふくもと・そら)さん(二列目右・美唄町出身)

北海道大学1年
吉野真由(よしの・まゆ)さん(二列目左・神奈川県出身)

北海道大学3年
上須百花(うわす・ももか)さん(一列目中央・大阪府出身) 
戎真由香(えびす・まゆか)さん(一列目左・室蘭市出身)

※すべて2023年9月時点

さて、インターンシップを担当する斉藤さんによると、「食」という誰しもに関わる企業でありながら、どんなことをしているのかわかりづらいことが悩みの一つだそう。

そこでプログラムの1日目と2日目は、「知る」ことに専念してもらいました!

1日目「知る」基本編

1日目は朝9時に釧路市公設地方卸売市場からスタート。社員のみなさんは、すでに売り場での仕事を終え、オフィスで書類仕事をしている時間です。

「野菜や果物、花には品目ごとに担当者がいるんです。各産地のJAや農家とやり取りをして、『これくらい仕入れたい』と手配を進めていきます」と斉藤さん。
「野菜の品目や量に偏りがあると、値段が不適切になったり、流通が行き渡らなくなったりして困ることになります。JAや農家とのやりとりはもちろん、小売店ともコミュニケーションをとって、安定的に供給するのが私たちの仕事です

売り場の見学が終わった後は、営業のみなさんへのインタビューを通して、会社や卸売に関する理解を深めていきます。

「これ、今日仕入れた桃なんだけど、みんなでどうぞ!」
インタビュー終了後、なんと、果実部の方から立派な桃をいただきました!皆さんのお話を聞いた後だと、この桃が自分の手に届く過程を想像できます。

最後に今日1日を振り返り、発見した「ポジティブ」・「ネガティブ」なこと、そして「わからなかったこと」を付箋に書き出していきます。

不明点については翌日に持ち越し、2日目はより深く丸中釧路中央青果に迫っていきます!

2日目「知る」ディープ編

翌日は朝5時に集合。社員の皆さんはすでに仕事を始めています。

荷物も人も多い市場らしい雰囲気のなか、様々な業者、関係者の方々が荷物をチェックしたり話し合いをしたりしています。

後輩の育成にも携わっている生江さんに、丸中釧路中央青果の未来についてお話を伺いました。
「転送販売」という仕組みを用い、他の市場や地域にも商圏を広げていること、こういった他の市場や地域との取り組みには関係性づくりが重要であることなど、1日目で学んだ内容ともリンクします。

野菜部で働く入社4年目の前田さんは、菌茸(きんたけ)類、つまりキノコ類を担当しています。
この仕事は、正解があるものじゃないんです。先輩から教えてもらったことがすべてではないので、やり方を自分なりにアレンジできるところが面白いですね」と話します。

果実部に所属する宮脇さん、花き部に長年務める平野さんにも企業風土ややりがいなどについてインタビュー

さて、今日のランチは和商市場!小売店とのやりとりについても学べて一石二鳥です。

お邪魔したのは果物や野菜を取り扱う佐藤商店。生江さんが「この間のブドウどうだった?」と声をかけると、「おいしかったよ!すぐ売れちゃった」などと会話が弾んでいきます。

そしてなんと、この日のお昼は勝手丼!
釧路に住んでいる学生たちも実は食べたことがないそうで、みんなウキウキで具材を選び、大満足!

「知る」行程もいよいよラストスパート。
2日間を通して感じた疑問や、斉藤さん自身のご意見を伺う時間を設け、レポート制作を進めていきます。
明日はいよいよ最終日、丸中釧路中央青果の魅力をどのように伝えてくれるのか、楽しみです!

3日目「発表する」合同報告会編

そして迎えた最終発表当日。斉藤さん、生江さんが会場に足を運んでくださいました。

インターン生に課されているのは、
丸中釧路中央青果をはじめ、卸売業の魅力を伝えること
丸中釧路中央青果の企業そのものの魅力を伝えること
の2点です。

まずは、「卸売って?」というところから説明がスタート。上須さんと戎さんが飛び出し、なんと「八百屋での買い物」を再現した即興コントが始まりました!

八百屋と買い物に来た客との会話から、「卸売」をわかりやすく説明するというアイデアで会場を沸かせます。
続いて、丸中釧路中央青果の魅力についての発表です。「働きやすさ」「得られるスキル」「やりがい」の3つがポイントとして上がりました。
「まずは『働きやすさ』を細分化していくと、4つのポイントがあることがわかりました」と話す学生たち。

特に「接客業にはない顧客との関係づくり」では、佐藤商店とのやりとりに、単なるビジネスだけではない繋がりを感じたそうです。

今回、多くの社員の皆様に協力いただいた6名。インタビューから、一人ひとりのやりがいにもフォーカスしていました。

今後の方向性についても、彼女たちなりにまとめた内容を発表。従来のやり方にこだわらず、新しいことに挑戦したり、地域外にも販路を広げていったりできる関係性の広さが、丸中釧路中央青果の魅力だと話してくれたのです。

最後に「丸中釧路中央青果の魅力を一言で表すと?」というスライドの発表が。
6名それぞれ、ユニークな視点でキャッチコピーを考えてくれました!

斉藤さんと生江さんからもそれぞれコメントをいただきました。

生江さん「僕は営業担当として、一緒に和商市場に行ったり、営業視点からのお話をさせてもらったりしました。複雑な話もあったと思うんですが、うまくまとめてくださって、100点どころか120点です!コントもよかったです!」

斉藤さん「男性ばかりの職場に女性が6名も来てくださり、少し緊張していたんですが、皆さん積極的で一生懸命頑張ってくださいました。皆さんから見た丸中釧路中央青果の課題についても、まだまだ聞いてみたいという気持ちです。インターンシップ、お疲れ様でした!」

今回は学生にとって馴染みのある業界ではありませんでしたが、参加した全員が「それが逆に面白い!」「知ってみたら魅力がわかった!」と、インターンシップの意義を感じてくれました。
取り組んだ学生が参加企業に就職するだけではなく、新たな選択肢を見つけるきっかけになり、地域とつながる入り口となるよう企画しているこのインターンシップ。
新たな自分を発見したり、友人ができたり、頼れる社会人の先輩と知り合ったり。
そんなちょっとしたきっかけを、今後も作っていきます!

丸中釧路中央青果株式会社でのインターンシップ 概要・スケジュール

実施テーマ:丸中釧路中央青果の魅力をPR・課題を解決するアイデアを考えよう!

開催日時:2024年9月12日(木)〜14日(土) 
実施場所:丸中釧路中央青果株式会社(北海道釧路市新富士6丁目1番23号)
応募締め切り:2024年8月30日(金)23時59分(応募者多数の場合、締切前に応募を締め切ることがあります)
応募フォーム:https://forms.gle/8PUaAPWvvCz3HJXW9
備考:日当8,000円/日、交通費2,000円/日支給(合計3日間の支給となります)
インターンシップに関するお問い合わせ先:kashiko☆dotdoto.com(☆→@に変更)担当:須藤

ライター

春日明子

1979年生まれ、神奈川県横浜市出身。会社員時代に釣りに目覚め、通勤電車で読んでいた釣り新聞の編集部員募集広告に即応募、編集者となる。編集プロダクションに転職後、旅行雑誌やコーヒー専門誌、機内誌を中心に編集・執筆活動をしながら休日は東京湾で釣りに励む。ついには鮭釣りに訪れた北海道で人生の伴侶を釣り上げ、2016年に別海町へ移住。甲斐犬と暮らしながら酪農地帯の真ん中で原稿を書く。