【当日レポート】三ッ輪運輸で学んだ物流業界のホントのこと
皆さんこんにちは!ドット道東です!
2022年8月23~25日にかけて、釧路市とドット道東で開催したインターンシッププログラム「#道東天職活動」。
釧路市に本社を置く3社のプログラムに全国各地から計8名の大学生が参加しました。
今回は、釧路市、道東の物流を支える三ッ輪運輸株式会社での3日間のインターンシップの様子をレポートします。
インターンシップについて
当日レポートに入る前に、まずは今回のインターンシップについて。
本インターンシップの目的は大きく3つです。
① 学生が釧路や地方で働くイメージを掴む
② 学生が業界の選択肢を広げる
③ 企業が学生の発想から刺激を得る
① 学生が釧路地方で働くイメージを掴む
Uターンを考えるとき、多くのひとが「仕事」を気にするはず。仕事の経験が少ない学生であればなおさら気になるのではないでしょうか。「地方で働きたいけど、市役所、郵便局、あとどこがあるんだろう……」 そんな学生も多いはず。そこで、まずは地方の仕事、釧路の仕事の選択肢を知ってもらうことを本インターンシップの1つ目の目的としました。
② 学生が業界の選択肢を広げる
地方での就職に限らず、いざ就職活動しようとすると元々ある程度知っている業界や企業ばかりを調べてしまいがちではないでしょうか。特に今回インターンシップを開催した3社が属する物流業界や建設業界は「社会の裏方」であると同時に「個人ではなく企業を相手にサービスを提供する業界・企業」であるため、多くの人に実際とは異なるイメージを持たれがちな業界です。そこで、学生に新たな業界の選択肢を広げてもらい、自分に本当に合った仕事を選ぶ一助となることを2つ目の目的としました。
③ 企業が学生の発想から刺激を得る
「学生が業界の選択肢を広げる」でも触れたように、今回インターンシップを開催した3社は、多くの人に実際とは異なるイメージを持たれがちな業界です。企業の方々も採用活動を行う上でこのイメージのギャップの解消に苦労されています。そこで、企業が学生のリアルな意見を受け取り刺激を得る機会とすることで今後の採用活動の一助となることを3つ目の目的としました。
「企業→学生」の情報提供によって学生にとって価値があるだけでなく、「学生→企業」へ新しい刺激があることで企業にとっても価値のある、そんなインターンシップを目指しました。
それではさっそく、インターンシップの当日レポートに入っていきましょう!
1日目「知る」
参加メンバー自己紹介
6月に公開した記事を読んで三ッ輪運輸に来てくれたのはこの3人。
東京農業大学オホーツクキャンパス3年 加々見太輔(かがみ・だいすけ)さん
東京都出身で、現在は網走市在住の加々見さん。物流業界の仕事を学んだり見学する機会は初めてだそうです。
北海学園大学4年 江頭昇吾(えがしら・しょうご)さん
道東に来ること自体が初めてだったという江頭さん。このインターンシップは、そんな道東への興味もあり、友達の勧めで応募してくれたそうです。
公立はこだて未来大学3年 傍士靖文(ほうじ・やすふみ)さん
大学ではデザインを学ぶ傍士さんは、元々物流業界に興味があったということで、三ッ輪運輸のインターンシップに応募してくれました。
1日目は、物流業界、三ッ輪運輸株式会社について「知る」時間。
講義、見学、座談会を通して、業界、企業についての知識をインプットし、これまでの業界や企業に対するイメージとのギャップを整理しました。
<1日目の流れ>
・講義
・港湾見学
・座談会
・オフィス見学
・振り返り、ギャップの整理
・講義
まずは三ッ輪運輸の社員様から、物流業界、三ッ輪運輸、釧路港の役割について講義!
「運輸と聞くと真っ先にトラックを思い浮かべる人が多いが三ッ輪運輸は『海・陸・空の総合輸送業』を担う会社であること」、「釧路港は飼料を受け取り牛乳を送り出す酪農地帯道東に不可欠な存在であること」など、三ッ輪運輸の業務の幅広さや釧路港とその釧路港を支える三ッ輪運輸の地域における重要性を学びました。
港湾見学
講義の次は港湾施設を実際に見学!
釧路西港の第1埠頭、第2埠頭、第3埠頭、第4埠頭をバスで巡り、その後サイロや物流倉庫を見学しました。講義で学んだそれぞれの埠頭の役割(第1=紙パルプ、第2=酪農、第3=コンテナ、第4=国際貿易)や、大規模な港湾施設を実際に目にすることで、釧路港の役割と物流業界のダイナミックさを肌で感じました。
座談会
続いて若手社員座談会!
座談会では、8年目の三浦さん、2年目の相澤さん、3年目の村上さんの3名と学生が交流しました。インターン生からは30個近い質問が飛び交いました。その一部をご紹介いたします。
インターン生「こうなりたいという将来の展望はありますか」
入社8年目・三浦さん「後輩に慕われる人間でありたいですね」
入社2年目・相澤さん「今いる部署の中で日々勉強し、自分の意見を持ち続けたいです」
インターン生「三ッ輪運輸のここが好きというところは何ですか」
入社3年目・村上さん「普段何気なく買っているものを繋いで届けている。目立つことはないけど欠かせない仕事である点が好きです」
社員の方々のお言葉から、会社で働く人の雰囲気や働く人が考えている仕事の意義などを知る時間になりました。
オフィス見学
続いてオフィス見学!
座談会に参加していただいた若手社員の方々にも同行いただき「ここが私の部署です!」と紹介していただきながらオフィスを見学しました。
インターン生が特に注目していたのが、この港湾を管理するモニターです。
このモニターでは、船の位置情報や港湾施設のリアルタイム映像などを確認することができます。
「物流=肉体労働」という当初のイメージと実際の仕事のギャップを強く感じる時間となりました。
振り返り、ギャップの整理
1日目の最後はインプットした上で感じた学びやギャップの整理!
「物流=肉体労働だと思っていたけど、実際はオフィスで働く仕事だった」
「就業時間が長いと思っていたけど、実際は16時半に帰ることができるくらい短かった」
「堅い会社だと思っていたけど、社内の意見を反映する文化があった」
など、学び感じたことを沢山書き出しました。
設定した1時間では足りなかったようで、インターン生3人は1日目のプログラム終了後も夜中まで議論を重ねていました。
2日目「考える」
2日目は、物流業界、三ッ輪運輸株式会社について「考える」時間。
ドット道東のミニ講義を通して考え方を学び、学生広報部長ワークを通して実際に業界、企業の広報施策を考えました。
<2日目の流れ>
・ドット道東のミニ講義
・学生広報部長ワーク
ドット道東のミニ講義
まずはミニ講義!
ミニ講義の担当はドット道東理事の名塚ちひろ。
道東のアンオフィシャルガイドブック「.doto」や「釧路で暮らす」を制作した際にどのようなことを考えていたかをインターン生に説明しました。
ドット道東のミニ講義
2日目のメインは、学生広報部長ワーク!
前日に整理した学びやギャップを基に学生だからこその生の意見を具体的な施策に落とし込み提案できるように議論を重ねました。
3日目「伝える」
3日目は、物流業界、三ッ輪運輸株式会社を「伝える」、3社合同インターンシップ成果発表会。
<3日目プログラム>
・成果発表
・座談会
・懇親会
成果発表
三ッ輪運輸株式会社インターン生の発表は3番目、最後の発表でした。
インターン生3人は「物流=肉体労働ではない」点を大きなギャップと感じ、「物流という言葉から実際の業務内容のイメージが湧かない」ことを解決すべき課題と考え、2つの施策を提案しました。
具体的施策①「堅苦しくなく端的にギャップを伝えるWebサイトを制作する」
短くインパクトのある伝え方をすることで、現時点であまり関心がない学生にギャップを伝えることができると考え、端的なキャッチフレーズでわかりやすく掲載するリクルートサイトの制作を提案しました。
具体的施策②「道内の大学に三ッ輪運輸の業務が一目でわかるようなポスターを掲示する」
一方で①の施策は、そもそもWebサイトをみてもらうまでのハードルが高いことが課題。
そこで2つ目の施策として、三ッ輪運輸の業務が一目でわかるようなポスターを制作し北海道内の大学に掲示することを提案しました。
実際にインターン生が制作したポスターがこちら!
「船と陸、日本と世界を釧路が繋ぐ」というコピーで物流業界のダイナミックさと三ッ輪運輸が担う役割を伝えると同時に、巨大なバルク船とオフィスの写真を背景にすることで、ダイナミックな現場を動かす司令塔的な役割であることが伝わるようなポスターになっています。
また、このポスターをきっかけに興味を持った学生がWebサイトに飛べるようにQRコードも掲載しています。
インターンでの学びをぎゅっと凝縮したような具体的な提案でした。
就活・キャリア座談会
最後のプログラムは、就活・キャリア座談会。
北海道新聞釧路支社の堀川美琴さん、釧路市立図書館の田口さくらさんをお招きし、インターンシップを開催した物流業界、建設業界とはまた違う釧路や地方でのキャリアに触れる時間を用意しました。
「今の会社に入った理由」「実際に働いてみて感じたこと」「学生時代にやっておいてよかったこと」の3つをテーマにお話を伺いました。
転勤で釧路に来た人と釧路で生まれ育った人、新聞社営業職と図書館司書、まずは行動する人とよく考えてから行動する人、生まれ育った地域も職種も性格も全く違う2名からお話を伺い、自分自身の進路について考えるきっかけになったのではないでしょうか。
3日間を終えて
インターンに参加していただいた学生3名の感想はこちら!
東京農業大学オホーツクキャンパス3年 加々見太輔くん
最初に「物流業界の会社のインターンに参加してみない?」と誘われたとき、正直どういったことをしているのか本当に見当がつかず不安もありましたが、不安の奥に初めて出会う知識や人への期待も感じながら釧路に来ました。
インターンシップを通して物流業界のイメージとのギャップをさまざまな点で感じたからこそ、伝えたいことが多すぎてどれに絞ればいいんだろうとすごく考えて、気付けば夜が明けていました。
でも最後にたどりついた提案が少しでも発表を聞いていただいた方に響いてくれていたならうれしいですし、発表が終わった後、一緒に参加した2人が社員の方々と笑っている様子を見ることができてやり切ったなと感じています。
3日間、ありがとうございました!
北海学園大学4年 江頭昇吾くん
道東に行ったことがなかったので道東への興味もあり、友達にインターンを紹介してもらってすぐに参加を決めました。
最初は運輸と聞くと厳しい人が多いイメージがありましたが、本当に温かく対応していただきそのイメージが変わりました。
また、肉体労働ではなく事務職というギャップだけでなく、いわゆる事務のイメージではなくオフィスに設置されたモニターを使って港湾を管理していたりと、イメージと全く違うかっこいい仕事だと感じました。
インターン期間中に、晴れのきれいな幣舞橋や霧につつまれた港や街の様子も見ることができ、泉屋でスパカツを食べ、すごく充実した釧路市でのインターンシップを過ごせたと思います。ありがとうございました!
公立はこだて未来大学3年 傍士靖文くん
3日間を通して得た一番大きなものは、ギャップを感じ、業界や三ッ輪運輸について知ることができた点だと思っています。
制作したポスターも三ッ輪運輸の方々に喜んでいただいてすごくやりがいを感じるインターンシップでした。
釧路に元々ゆかりはありませんでしたが釧路観光もすることができ、釧路の魅力を感じられて充実していました。3日間ありがとうございました!
最後に、お世話になった三ッ輪運輸の皆さんからの感想もいただきました。
三ッ輪運輸株式会社 総務部部長 岩川政広さん
物流業界は非常に幅が広い業界で、我々三ッ輪運輸は主に港湾の仕事をしていますが、「三ッ輪運輸」という名前を聞いてもなかなか港と結びつかない人が多いのではないかと思います。
私自身が30数年前に入社した際に友達から「トラックを運転するの?」と聞かれたことを記憶しています。
そんな中、釧路市の出身ではない、三ッ輪運輸のことを知らない3人のインターン生が来てくれて、まっさらな状態から三ッ輪運輸の広報施策を考えてくれたことにすごく意味があると感じています。
内容も素晴らしく、すぐにでもポスターを掲示したいと考えています。素晴らしい広報施策を考えていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。
後日、本当にインターン生が作成したポスターの作成・掲示が決まりました!
また、クリアファイルとしても展開していただき、広報活動にお役立ていただいております!
インターンシップレポート、いかがだったでしょうか。
釧路市とドット道東で開催したインターンシッププログラム「#道東天職活動」。
今回インターンシップを開催した物流業界、建設業界は、学生にとって馴染みのある業界ではなかったはず。でもだからこそ、実際触れてみると知らないことだらけだったと参加してくれた学生が口をそろえてコメントしてくれました。
インターンシップに取り組んだ学生が今回参加した企業に就職するようなことがあればもちろんうれしいです。ですが、たとえ就職するようなことにはならないとしても、今回のインターンシップが、学生の皆さんが自分が知らない世界が広がっていることに気付き、たくさんの物事に触れるきっかけになっていればインターンシップを開催した意味があったと言えると思っています。
そんなきっかけをこれからも道東でつくっていきたいと強く感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
他の2社の記事は近日中に公開予定です!